海軍とスカジャン。横須賀という土地柄と海軍兵士に好まれた刺繍。

戦後、米兵のスーベニアとして生まれたスカジャン。その名の由来である神奈川県横須賀には海軍基地があり、当然、スカジャンを手にした海軍兵士も多いはず。ここでは海軍とスカジャンの関係性について考察する。

アメリカ兵の母国へのお土産として誕生したスカジャン。

「TAILOR TOYO」Director・松山達朗さん|1940年代創業の「港商」を前身とするスカジャンの本家、TAILOR TOYOの企画統括。スカジャン研究家としても知られ、世界初のスカジャン専門書も出版している第一人者

鷲、虎、龍、日本地図などのモチーフを軸にカラフルでオリエンタルな刺繍が施されるスカジャン。正式には、スーベニアジャケットという名で、戦後、在留するアメリカ兵の母国へのお土産として生まれたものだ。

スカジャンの愛称でで浸透しているのは、「横須賀ジャンパー」を略した言葉。このスカジャンと海軍に紐づく関係があるのか、30年以上にわたりスカジャンの研究を続けてきた松山氏。

「日本人が作るアメリカ兵士に向けたお土産だったので、当然、海軍兵士も購入していました。横須賀という土地柄、旧くから海軍基地がある場所ですからね。もちろん、当時、海軍に因んだ刺繍もありますし、そんな彼らが好んで手にしていたモチーフは、龍なんです。刺繍をよく見ると海軍に因んで、龍とともに海の描写の刺繍があります。これはおそらく海軍兵士が海を彷彿させる何かを刺繍したいとの想いからオーダーしたのでは? と推測できますよね」

横須賀美術館で開催された世界初の「スカジャン展」。TALOR TOYOのアーカイブから厳選した希少なヴィンテージ、圧巻の140着を筆頭に当時、米軍にスカジャンを卸した納品書など、日本のカルチャーの側面からスカジャンを見ることができた。

横須賀美術館開館15周年を記念して2022年末、約1カ月半にわたり開催された世界初の「スカジャン展」
東洋エンタープライズ所蔵のヴィンテージスカジャンから厳選した140点を展示した

「スカジャン展」のアーカイブは買えないけれど、TOYOのスカジャンなら手に入る!

見れば見るほどその美しい刺繍に魅了される、希少なヴィンテージスカジャンの数々。残念ながらこれらは非売品だが、ここでは実際に購入できるTOYOのスカジャンを厳選して紹介する。

【YOKOSUKA DRAGON × JAPAN MAP】Mid 1940s Style Wool Gabardine×Acetate Souvenir Jacket “KOSHO&CO.” Special Edition

戦後間もない1946年。デザインベースとなったジャケットはスカジャンの最初期と言っても過言ではない個体を元に、当時、横須賀基地に駐留していた米兵のカスタムオーダーで刺繍された特別な1着。刺繍の色使いや龍の表情など、熟練した職人の技が光る逸品。¥101,200_

REVERSIBLE
BACK
REVERSIBLE

【DRAGON HEAD × JAPAN MAP】 Late 1940s-Early 1950s Style Acetate Souvenir Jacket

モチーフとなった龍が頭部のみの刺繍で表現される通称「ドラゴンヘッド」と呼ばれる作品。上下に長く伸びた髭やイキリたつ鬣など髪など頭だけでも隆々しい肉体が想像できる。裏面はジャパンマップだが、よく見るとスペルミスのある刺繍もヴィンテージのまま再現。¥60,500_(2023 年春発売予定)

REVERSIBLE
BACK
REVERSIBLE

【DUELLING DRAGONS × U.S.S. PRINCETON】 Early 1950s Style Acetate Souvenir Jacket (AGING MODEL)

日本の象徴である富士山を紅白の双龍が睨む描写。波飛沫まで表現されている。裏面はU.S.NAVYの刺繍に航空母艦「プリンストン」が堂々と鎮座する。この空母に乗っていただろう海軍兵士がカスタムオーダーで仕立てたものと断定できる。¥72,600_(2023 年春発売予定)

REVERSIBLE
BACK
REVERSIBLE

【DATA】
TAILOR TOYO(TOYO ENTERPRISE)
Tel.03-3632-2321
https://www.tailortoyo.jp

※情報は取材当時のものです。

(出典/「CLUTCH2023年2月号 Vol.89」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

記念すべき第1弾の革をモヒカン小川がプロデュース! AJLP活動報告。

  • 2026.09.01

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトの活動報告。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく動き出した革のプロたちのリアルドキュメンタリーである。同プ...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

「VINTAGE PEANUTS」が約10年ぶりに復刻! 「ウエアハウス」の新作Tシャツ一挙見せ!

  • 2026.09.08

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 装いのアクセントにユニークなTシャツを! ウエアハウ...

上海発・気鋭のアメカジブランド「REAL SIMONS」を知っているか?

  • 2026.08.30

近年アメカジが流行し、大きな発展を遂げている中国。同国で1984年に創業したレザーウエア工場の生産背景を元に2017年に始動したのが「リアル シモンズ」だ。ヴィンテージピースを現代的に再構築した高品質なプロダクトを手がける気鋭のブランドである。 元々は皆さんと同じ『Lightning』の読者だったん...

Pick Up おすすめ記事

上海発・気鋭のアメカジブランド「REAL SIMONS」を知っているか?

  • 2026.08.30

近年アメカジが流行し、大きな発展を遂げている中国。同国で1984年に創業したレザーウエア工場の生産背景を元に2017年に始動したのが「リアル シモンズ」だ。ヴィンテージピースを現代的に再構築した高品質なプロダクトを手がける気鋭のブランドである。 元々は皆さんと同じ『Lightning』の読者だったん...

記念すべき第1弾の革をモヒカン小川がプロデュース! AJLP活動報告。

  • 2026.09.01

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトの活動報告。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく動き出した革のプロたちのリアルドキュメンタリーである。同プ...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

70を超えるレザーブランドが集う! 「Leathers Day TOKYO 2026」が五反田TOCビルで9月26・27日開催!

  • 2026.08.30

雑誌『Lightning』と兄弟誌『2nd』『CLUTCH Magazine』の3誌による、レザー好きのための大規模イベント。4度目を迎える今年は、初の東京会場での開催が決定! 普段なかなか手に取って実物を見ることができないブランドや、このイベントでしか手に入らないアイテムが揃う特別な2日間。さらに...