周年を迎え、改めて 感じ入る名作の趣
かつて人々が日常的に履いていた靴と言えば、もっぱらオックスフォードシューズのようなドレスシューズか、作業靴ばかりだった。その流れを変えたのが[デザートブーツ]だ。
ドレスと作業靴の中間に位置するようなカジュアルなルックスとラフな履き心地。当初はあまりに斬新だったがゆえ受け入れられるまでに時間を要したものの、次第にその魅力が評価されるようになり、アメリカ・英国を経由しながら世界に広まっていった。カジュアルシューズの草分け的存在でありながら、それが誕生から75年を経た今でも人々にとって定番靴であり続けるということは、もはや奇跡に近いような話である。
そしてこのたび、そんな[デザートブーツ]の記念すべき75周年を祝うモデルが登場。「ローデングリーン」というカラー復刻とパッチワーク仕様のふたつのモデルは、いずれもユニークで特別感を与えてくれつつも、どんなスタイルにも馴染みやすい。改めて[デザートブーツ]の完成されたデザインに、感服するばかりである。

75周年記念モデルが登場!
75年ものあいだ愛され続けてきた[デザートブーツ]の生誕を祝し登場する周年モデル。贅沢なパッチワークと、復刻カラーであるローデングリーンの2モデルだ。特に前者は日本企画の意欲作。特製のフォブ(ロゴ入りのレザータグのこと)や限定のタンも周年ならではの特別感を煽る。
Patchwork(上)
ブラック、インク、コーラ、ビーズワックス、ローデングリーンのスウェード生地を、パッチワーク仕様で構築したなんとも贅沢な一足。コーラカラーのシューレースと3種類のフォブも付属する。2万7500円
Loden Green(下)
アーカイブカラーを復刻。グリーンとは言え、落ち着いた上品な配色でどんなスタイルにも合わせやすい。お馴染みのチャールズ・F・ステッド社製スウェードで品質も申し分なし。2万5300円
改めて知りたいデザートブーツの歴史
クラークス一族の4代目ネイサン・クラークス。彼が第二次世界大戦中に現ミャンマーに駐屯していた際、友人が履いていたラフなスウェードとゴム底を有したブーツに出会う。それはエジプト・カイロで作られたもので、砂漠地帯に駐屯する南アフリカ師団のアイデアによるものという話を受け、[デザートブーツ]の名で制作。1950年のことである。
[ デザートブーツ年表 ]
1825年 クラークス創業
1950年 デザートブーツ誕生
1960年代 モッズのあいだで大流行
1963年 日本に上陸
2025年 全世界での売り上げが1500万足を達成!
【問い合わせ】
クラークス ジャパン
TEL03-5411-3055
(出典/「2nd 2025年12月号 Vol.215」)
Photo/Takashi Murata Styling/Shogo Yoshimura Hair&Make/Miho Emori Text/Shuhei Takano
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