日本唯一!? 焚火を生業とする人がいる! その名も「焚火マイスター」

雑誌『メンズノンノ』の第9回専属モデルを経て、モデルやライターとして活動し、『マツコの知らない世界』(TBSテレビ)では焚火の世界の達人として登場して注目を集める男・猪野正哉。キャンプ番組などの焚火監修を手掛ける他、イベントやワークショップ、講演などの活動する。運営するプライベートアウトドアスペース「たき火ヴィレッジ“いの”」は雑誌やテレビ、広告などのロケ地として貸出しも行っており、日本焚火協会の会長も務めている。そんな猪野氏にお話を伺った。

猪野正哉 MASAYA INO|焚火マイスター / アウトドアプランナー。1975年生まれ、千葉県出身 inomushi75

焚火マイスターになったワケ。

「焚火マイスター」こと猪野氏がマイスターになった経緯とは?

「アウトドア雑誌のキャンプ企画に火起こし担当で参加した際に、火起こしが早く、上手だったことからその場にいたスタイリストや編集者の方が軽い冗談で『焚火マイスター』と名付けたのがきっかけです。その後、冗談半分で自身のプロフィール欄に『焚火マイスター』と記載し始め、自称するうちに自然と焚火の人になってしまい、気が付けば生計を立てられるようになったんです」

初心者におすすめの焚火スタイルとは?

焚火をしたことがない方も多くいらっしゃると思うので、猪野さんに「初心者におすすめの焚火スタイルなどありますか?」と質問を投げかけてみました。

「火起こしの段階で挫けてしまう人が多いので、着火剤やバーナーを使ってください! 火を起こす過程よりも、火が点いた後の焚火そのものを楽しんでください!」と猪野さん。

火打石で火起こしを楽しむ人たちも最近では多く見かけますが、素人にはややハードルが高いと感じていたので、今後は私も遠慮なく着火剤やバーナーを使用しようと思います。

猪野さんが伝えたいことは焚火の目的や楽しみ方に重点を置く事で、より楽しめるという点なのでしょう。

「私は物珍しい肩書きを持っているため、多くのメディアからの出演依頼をいただきます。そのおかげで、普段お会いすることがないような方々と焚火を囲む機会が多くあります。大自然の中で明かり炎を眺めていると、初めて会った人でもすぐに心が通じ合うのです! 昔の伝統において焚火を囲み、語り合ったり歌ったりする場は集団の絆と感じます。焚火の出会いは、私にとってかけがえのない財産です 」

豊かな日常生活。

AIや自動化がすすむ現代においてあらゆる無駄が省かれることで、人間の持つ創造性や遊び心が失われていると実感します。そんな中、焚火マイスターとはある意味、縄文時代の日本人なのだろうと思いました。焚火を囲むことで、人と人との繋がりをより色濃く感じてみると本来の日本人が持つDNAの記憶が蘇る感じがします。

「火に触れることで、恐怖や温もりを体感してください。日常生活の豊かさを改めて実感できるでしょう。」

“焚火マイスターは私たちの祖先が大事にしてきた日本人らしい生き方をある意味教えてくれました。

日本語には昔から「言霊(ことだま)」という考え方があります。それは「言葉には魂が宿っていて、その言葉が現実に影響を与える」というものです。

猪野さんの行動や発言が実際の現実を作り出していったことを考えると、この言霊の考え方に通じるものがあります。おそらく猪野さんは、前向きでポジティブな性格なのだと思われます。

前向きな言葉を使うことで、より良い未来を引き寄せようとするその姿勢は、多くの人に夢や希望を与える素晴らしい生き方です。

また猪野さんは、その柔軟な適応力によって、「焚火マイスター」として自然にその役割をこなせるようになりました。テレビやYouTubeでは焚火の監修を担当し、アウトドアイベントでは講師や演出も務めています。さらに、20年にわたるライター経験を活かし、焚火に関する本の執筆も行っています。ぜひ焚火の魅力を感じてみてほしいです。

焚き火メシの本』(ライスパブリッシング)4月17日発売
猪野正哉 (著), 松倉広平 (著)

この記事を書いた人
広沢泰
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広沢泰

ミスターグッドオン

Good Onの創立から携わり27年間セールスに従事。『ミスターグッドオン』の異名を持つ。幼少期に観た80年代のアメリカ映画や音楽に衝撃を受けファッションに目覚める。ジャンルにとらわれない無類の古着好きでもある。プライベートでは料理やマラソン、農業と非常に多趣味な面もあり、普段の仕事とはかけ離れた休日を過ごしている。人見知りしない性格で初見の方とも直ぐに打ち解け、業界・業種問わず様々なジャンルの方々とも親交が深い。
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