デザインと職人技が光る気鋭のブランド。
突然だが、〈HEREU(へリュー)〉というバッグ&シューズブランドをご存じだろうか? 革靴の生産地としても有名なスペインにて2014年に創業し、 職人の伝統的な技術を駆使しながらもどこかモダンさを漂わせる唯一無二のデザインにより、着実にファンを増やしてきた知る人ぞ知る注目ブランドだ。
去る6月上旬に、ホセ・ルイス・バルトロメ氏とアルベルト・エスクリバーノ氏の両デザイナーが来日する情報をキャッチした2nd編集部はインタビューを敢行! 断然革靴派を掲げる2ndも注目する〈へリュー〉について紹介する。
まず、〈へリュー〉というブランド名についてだが、これはカタルーニャ語(スペイン東部のカタルーニャ地方で話される言葉)で「相続人」を意味する。スペイン各地に存在する家族経営の小さな工場に勤める職人等の技術に着目し、その技術を受け継いでいくということがブランドのテーマであり、メイドインスペインにこだわる。
アルベルト氏によれば、デザインの絵を描く前に技術のある職人と実際に会い、その技術を見ることで「この技術があればこんなデザインができそう」というインスピレーションを得ているのだという。また、地中海に面し自然が豊かなバレンシアで生まれ育ったホセ氏と、地中海に浮かぶマヨルカ島で生まれ育ったアルベルト氏がデザインする靴は、グルカサンダルやローファー、モカシンシューズなどサマースタイルにぴったりな軽やかなデザインが多いのも特徴。
のんびりとした気質と主張しすぎない控えめな着こなしは地中海特有の感性であり、両デザイナーの育ってきた環境が革靴のデザインにも反映されているのだ。
伝統的な革細工、 特殊な織物や刺繍など、職人たちが長い年月をかけて継承してきた技術により作られたクラフトマンシップ溢れるアイテムは、ひとつひとつ手作業で丁寧に作られており、1 日に作れる数はごくわずかだ。これらの技術を次の世代に受け継ぎ、職人たちの労働環境を守っていくことも〈へリュー〉の掲げる信念のひとつ。
すべてのアイテムの根底には職人の技術があり、その良い点を活かした唯一無二のデザインこそがブランドの最大の強みである。
また、日々のワードローブに取り入れやすいニュートラルなカラー使いも同ブランドの魅力のひとつ。ラグジュアリーブランドのレザーアイテムを請け負っているタンナーとも契約を結んでおり、革の品質の高さも折り紙つきだ。
サマートラッドに好相性なクラシックかつリラクシンなデザイン、確かなクオリティを兼ね備えるこの夏再注目のブランドであることを改めて言っておきたい。最後に、両デザイナーに聞いたこの夏おすすめの革靴を紹介! アイビーやプレッピーといったお馴染みのアメトラスタイルともマッチすること間違いなしだ。
Pesca(ペスカ)
スペイン産のグレインカーフレザーを使⽤したフィッシャーマンサンダル。かつて地中海の漁師たちが着用していた実用靴がデザインソースとなっており、フロントの美しいカッティングやニュートラルなブラウンカラーが特徴だ。クッション性のあるレザーフットベッドを採⽤し、履き心地も抜群! 8万1400円。
Sineu(シニュー)
〈へリュー〉のアイデンティティともいえるモカシンシューズ。スペイン国内の熟練の職⼈による伝統的なモカシン製法で⼿縫いされている。地中海ののんびりとしたリラクシンなムードを醸し出すスリップオンは夏のトラッドスタイルと相性抜群。カットアウトされた甲部分のデザインが唯一無二の表情。アウトソールはアッパーに縫い付けられており、柔軟性と耐久性を高めている。8万1400円。
Ferriol(フェリオール)
スペイン産のベジタブルタンニンカーフレザーを使⽤したベルト付きのローファー。シンプルなダークブラウンカラーに編み込みのデザインが程よい塩梅で、モカ縫いはスペイン国内の熟練の職⼈によるもの。軽やかな印象ながらシックなスタイルともマッチする。ベージュのリネンスーツなど、夏のドレススタイルに合わせてみてもよいのではないだろうか。7万7000円。
【問い合わせ先】
HEREU JAPAN Official Online Store(へリュージャパン オフィシャルオンラインストア )
https://hereustudio.jp/
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