アイビーパンツと言えば、「コットンのチノ」か「ウールのフランネル」。選ぶ基準とおすすめ8選教えます!

王道のアイビースタイルにおいて、絶対にワードローブに加えねばならないアイテムはネイビーブレザー、BDシャツ、タイ、パンツ、レザーシューズの5つ。まずはこれらについての基本的な知識と、今買うならどんなアイテムを押さえるべきかを知っておきたい。

「アイビーパンツ」と言えば、素材はコットンのチノかウールのフランネル。いずれもアイビーらしいシルエットやディテールは共通しているが、カラーや生地など他のアイテムに比べて自由度は高いと言えるだろう。

特にチノパンツは、ブレザーやBDシャツ、 どんなアイテムに合わせてもカジュアルと上品さのバランスが完璧だ。アイビーをより深く知るために詳しく見ていこう。

パンツのアイビー必携のディテールはこの5つ

1.シルエット

アイビーらしいシルエットはやや複雑だ。原初的なアイビーに徹するならパイプドステム(ストレート)が適しているが、やや細めのテーパードシルエットもトラディショナルの範疇。少なくとも極端に太すぎたり細すぎたりするものはアイビーの文脈から見れば離れてしまうだろう。

クラシカルなディテールである尾錠がついていると、一層アイビー度は高まる。ピュアなアイビー好きにとっては、むしろこれがないとアイビーパンツと認めない場合も。

2.バックポケット

片玉縁

バックポケットの切り口に施されるパイピング処理が下側にのみついているもの。両玉縁と、どちらがよりアイビーだということはない。

両玉縁

バックポケットの切り口に施されるパイピング処理が上下いずれにもついているもの。より手間のかかるディテールとされている。

3.サイドポケット

斜めポケット

サイドシームに対して開口部が斜めに入ったポケット。物の出し入れを行いやすく、より実用性が高い分、カジュアルな意匠と言える。

ストレートポケット

開口部がサイドシーム(両脇の縫い目)に沿って配されたサイドポケットのこと。ポケットが目立ちづらく、ミニマルで上品な印象に。

4.プリーツ

ツープリーツ

フロントにプリーツが2本入ったツープリーツ。ノープリーツに比べてエレガントなディテールで、腰回りのシルエットは太めになる。

ノープリーツ

腰回りがスッキリして見える、プリーツなしのプレーンな仕様。比較的細身にすっきりと見せたい場合はこちらの方が適している。

5.裾

シングル

裾の折り返しがない仕様。足元がすっきりして見えるため、革靴などとも合わせやすくフォーマルなシーンでの着用にも向いている。

ダブル

裾を折り返した仕様で、よりカジュアルに見える。ピュアなアイビーやプレッピー派たちは、よりこちらのほうを好む傾向にある。

パンツの起源とは?

チノパンの出自は比較的有名だ。舞台は19世紀半ばの英国。英国軍司令官だったハリー・ラムデン卿が、すぐに汚れてしまう白い軍服を、土の色に近づけるべくカレー粉やコーヒーなどを使ってカーキ(今で言うベージュ)に染めたことが始まり。

その後カモフラージュの効果なども認められ英国軍が制式採用。しかし英国で過剰に生産された末、それが中国へと輸出されることになる。次にその軍服を中国(スペイン語でチノーズ)から買い占めるのは、アメリカだった。そして、名作とされる[M-41カーキ]の誕生へとつながっていく。

一方フランネルパンツに関しては、正確な出自はやや不明瞭である。ただ、約500年ほど前には、すでにフランネルに類似している織物が見つかっていることや、もともとは夏用の素材であり、ルネ・ラコステがウィンブルドンで着用していたことなどが分かっている。

綾織りって何? 知っておきたいチノ素材

チノ素材のことを知るうえで、マストで知っておかなくてはならないのが、平織りと綾織りの違い。先に言っておくとチノ素材は「綾織り」である。

綾織り

例えば、経糸1本につき緯糸2本など、複数本を飛ばして織っていくと綾織りになる。生地には斜線のような畝が入る。右上がりが右綾、左上がりが左綾。

平織り

経糸1本と横糸1本を、交互に交差させて作るシンプルな織物。糸同士の隙間が多いため、薄手になりがちで、春夏素材に向く。オックスフォードも平織り。

素朴な質感でイナたい雰囲気の「チノクロス」

単糸・左綾の組み合わせで作られる生地。素朴な質感で、穿くほどにクタクタになっていく。そのヤレた質感が好きという人も。本来、純粋な“チノパン”はこちらを指すのかも?

より堅牢で光沢のある上質な生地「ウエポン」

双糸・右綾。より丈夫で光沢感のある生地。穿き込むとヌメッとした質感になっていく。もとはエリート校である米陸軍ウエスト・ポイント士官学校で使われていた素材である。

パイプドステムをワンクッションで履くべし!

王道アイビースタイルを死守したいのならば、パイプドステム(ストレート)で、ノープリーツのパンツを、ワンクッション(裾が甲に当たるか当たらないかぐらい)で穿くのが理想的だそうなのだ。穂積和夫著『絵本アイビー図鑑』(万来舎)より。

パンツのウール素材は「フランネル&メルトン」「サキソニー」

【フランネル&メルトン】秋冬の大定番、暖かみのある素材感

繊維をあえて不均一な状態で糸にした紡毛(ぼうもう)を、平織りもしくは綾織りで織り上げ、縮絨加工、起毛を施した毛織物。大まかには薄手で柔らかいものをフランネル、厚手で光沢感のあるものをメルトンと呼ぶ。糸の太さや目付以外は、基本的に同じものであると考えてよい。

【サキソニー】「紡毛、縮絨、起毛」の代表3素材の中で最も艶っぽい

フランネルやメルトンと同様に、縮絨加工で圧力をかけてフェルト状にしているがサキソニーは綾織りという点が決定的な違い。同じく起毛素材だが薄手で軽く、艶やかで高級感があるためスーツにもよく使われている。ドイツのサキソニー地方で作られていたことに由来する。

「チノパン屋」本江さんが衝撃を受けた知っておくべき名作チノパン3選

「Pt.アルフレッド」本江浩二さん|恵比寿にてセレクト店「Pt.アルフレッド」を営み、同名のオリジナルパンツブランドも展開

1.Polo Ralph Lauren

91年リリースの[ビッグチノ]。「それまでパンツは1インチ刻みが常識だったから、『こんなに太いパンツを穿かせていいんだったら2インチ刻みでもいいのでは?』と常識が覆りました」

2.BASCO

「1970〜80年代のブランド。それまでミリタリー系のチノと言えば、放出品のイメージでしかなかったんですが、軍モノを再現した〈バスコ〉のパンツが百貨店に並んでた。当時は衝撃でした」

3.BRITISH KHAKI

「80年代の〈ブリティッシュカーキ〉製。ウエポンじゃない昔ながらのチノクロスをあえて打ち出していて。ちゃんとした生地でちゃんとしたものを作らなくちゃって気持ちから解放された」

2nd編集部がおすすめする、アイビーチノ8選

1.KINGSWOOD(キングスウッド)

Material: Cotton
Twill Price: ¥18,480

パイプのようにウエストからボトムまでがまっすぐなシルエット。毛羽立ちの少ないコーマ糸を使ったチノクロス生地を採用し、穿き込むごとに風合いが増す。(メインTEL03-3264-3738)

2.BARNSTORMER(バーンストーマー)

Material: West Point Chino
Price: ¥23,100

米陸軍士官学校の制服に採用されたウェポン生地に、当時の樹脂を凍らせながら浸透させるコールドマーセ加工でパリッとした質感を実現。シルエットはやや太め。(ヘムトPR TEL03-6721-0882)

3.Pt. Alfred(Pt.アルフレッド)

Material: West Point Chino
Price: ¥19,800

7型もあるブランドの定番モデルの1つ。毛羽立ちの少ないコーマ糸を限界まで打ち込んだウエポン生地で耐久性抜群。シルエットはベーシックなストレート。(Pt.アルフレッド(TEL03-3477-7952)

4.ALL AMERICAN KHAKIS(オールアメリカンカーキ)

Material: Cotton Twill
Price: ¥24,200

大戦時の米軍に使用された軍用生地を改良したコットンツイル地を使用。シルエットは高めのウエストラインからまっすぐ落ちるスリムストレート。(ユーソニアングッズストアTEL03-5410-1776)

5.ENGINEERED GARMENTS(エンジニアド ガーメンツ)

Material: Cotton Twill
Price: ¥38,500

シルエットはワンプリーツのテーパードで裾はターンアップ仕様。背面にバックヨーク、シートピースを施すことで程よいフィット感を実現。(エンジニアド ガーメンツTEL03-6419-1798)

6.D.C.WHITE(ディーシーホワイト)

Material: Wool Melton
Price: ¥26,400

肉厚なメルトン素材を用いた存在感のある1本。ベルトループのないサイドアジャスター仕様でタックインに最適。シルエットはやや太めのテーパード。(ステイオアゴーデスクTEL03-6447-5095)

7.J.PRESS ORIGINALS(Jプレス オリジナルス)

Material: Wool Saxony
Price: ¥29,700

保温性、通気性に優れたウールサキソニー100%の定番。メイドインジャパンのストレートシルエットで裾はダブル仕様。背面にはバックストラップ付き。(J.プレス&サンズ 青山TEL03-6805-0315)

8.BERNARD ZINS(ベルナール ザンス)

Material: Wool Flannel
Price: ¥58,300

フランスの高級パンツ専業ブランドとの別注。2インタックのクラシカルな雰囲気と、フランネルの柔らかな風合いが絶妙にマッチ。シルエットはストレート。(ビームスF TEL03-3470-3946)

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2023年11月号 Vol.199」

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

デニム界の異端児・ラングラー、製造期間は約1年のみの“幻の名作”がついに復刻

  • 2025.12.27

ロデオ・ベンをデザイナーに迎えてカジュアルウエアに参入したという歴史やカウボーイカルチャーとの結びつきなど、独自の発展を遂げてきたラングラー。膨大なアーカイブの中から、王道から希少な隠れ名作まで全6型が復刻を果たした。 幻の名作が華麗なる復刻を遂げた。 アメリカ三大デニムブランドのなかでも特異な歴史...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

映画で観た欧米のクラシックな世界観をモダンに昇華。“好き”が詰まった空間で暮らす!

  • 2025.12.30

衣食住は、私たちが生活するうえで必要不可欠な要素である。なかでも日々の生活と最も密接に結びつく住居には、ひと際こだわりたいもの。自分のお気に入りの空間を作るための選択肢のひとつに、リノベーションがある。 “三人四脚”で作り上げた理想の居住空間 兵庫県芦屋市。豊かな自然と落ち着きのある街並みから関西で...

Pick Up おすすめ記事

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

【Waiper×2nd別注】フランス軍の名作パンツを綿麻素材で再現! M-52 コットンリネントラウザー登場

  • 2025.11.28

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【Waiper×2nd】French Army M-52 Trousers 軍放出品やセレクト、オリジナルアイテムま...

オリジナル建材で古民家をスタイリッシュにリニューアル! ビフォーアフターを大公開!!

  • 2025.12.28

2025 年の夏の時点では床だけが施工されただけの古民家を再び訪れると、当時とはまったく違う姿になっていた。カントリーベースはこの家にどんな魔法をかけたのか? 何でもない空き家が宝物なる材料と技術 [caption id="attachment_887933" align="alignnone" w...

日本屈指のインディアンジュエリーブランドが放つ、美しき馬蹄のシルバージュエリー。

  • 2025.12.24

日本屈指のインディアンジュエリーブランド・ファーストアローズがこの冬新たにリリースした「馬蹄」を象った「ホースシュー」シリーズ。奇しくも2026年は午(うま)年。ファッション面だけでなく、来年こそは飛躍を願う人にとって最高の開運アイテムとなるはずだ。 新作「ホースシュー」シリーズを一挙紹介! 1. ...

デニム界の異端児・ラングラー、製造期間は約1年のみの“幻の名作”がついに復刻

  • 2025.12.27

ロデオ・ベンをデザイナーに迎えてカジュアルウエアに参入したという歴史やカウボーイカルチャーとの結びつきなど、独自の発展を遂げてきたラングラー。膨大なアーカイブの中から、王道から希少な隠れ名作まで全6型が復刻を果たした。 幻の名作が華麗なる復刻を遂げた。 アメリカ三大デニムブランドのなかでも特異な歴史...