ECサイト上で目指すのは、店頭さながらの接客力。チルローブ誕生秘話。

どの業界に身を置いていても誰もが人生において、いくつかのターニングポイントを経験する。ファッションに生きると決めた業界人が、新天地に辿り着いた経緯を窺った。

実店舗での経験を活かし、 ユニークなECサイトに。

島倉弘光さん|アメカジショップ「メイン」を営むカントリー貿易に30 年間務めたのち退社。独立して2021 年にオンライン限定ヴィンテージショップ「チルローブ」を立ち上げる

神保町にあるアメカジショップ「メイン」に30年間携わり続けてきた島倉さん。高校の頃に起きたインポートブームに影響を受け、行きつけだった「メイン」にアルバイト入社を果たしたのが1990年のこと。1999年以降は商品企画・デザイン・生産・バイイング・プレスなどの裏方業務を一手に担う役職に就いた。

「接客も楽しかったですが、アメリカ製のプロダクトが減っていくなかで、アメリカ製にこだわって生産から販売まで携わることができて、非常に勉強になりました」。

では、30年も続けてきた「メイン」を離れ、ECショップ「チルローブ」を立ち上げるに至った理由とは、いったいなんだったのだろうか。

「自分が好きなヴィンテージをベースに新しいものを作りたいと思っても、今となっては技術的に不可能になってしまったことも多いんです。だったら、古着の良さを改めて世に発信する役割にシフトしたいと思ったんです」。

長きにわたり実店舗に関わってきた島倉さんだからこそ、ECサイトの運営方法も独特だ。実際の接客をイメージしながら商品説明を書いているため、ECの紹介欄にしては充実のテキスト量になっている。その細かさたるや、確かに接客さながらである。

「コロナ禍ということもあって、いきなり実店舗はちょっとハードルが高かったので、ECから始めました。やはり自分の表現ができる場が欲しいので、ゆくゆくは実店舗のオープンも考えています」。

店頭で接客しているかのような濃い情報を伝えるべく、思うがままに書き連ねた結果、 EC サイト上のアイテム説明文はこれだけの長さに

注目のアイテムの一部を紹介!

パタゴニアのプリントTシャツ

2000 年FW シーズンのTシャツで、背面のプリントはアルゼンチン南部パタゴニア地方の「FitzRoy」がモチーフ。明るめのネイビーボディは希少性が高い。8690円

ブルックスブラザーズのポロカラーシャツ

1980〜90年代初期ごろのブルックスブラザーズのベーシックなBDシャ
ツ。ファンの多い6ボタンで、手作業の工程が多いメーカーズ表記の最高級ライン。1万4080円

5thモデルのジャングルファティーグパンツ

おそらく1968年ごろに製造された5thモデルのジャングルファティーグ。太めのシルエットで穿きやすい一本だが、近年希少性が高まっているため狙い目。1万7820円

リーバイスの506XX

1950年代前後の通称1stタイプのデニムジャケットは、希少な一枚袖仕様。当初入っていた傷跡を、手間のかかる100%綿糸でリペアするというこだわりっぷり。44万9900円

【年表】

1971
足立区北千住で生まれる。その後すぐに埼玉県越谷市に引っ越す

1987
インポートブームの影響でアメカジにのめりこむ

1990
アメカジショップ「メイン小川町店」にアルバイトとして入社

1999
店舗スタッフを退き、商品企画・バイイングなどの業務を担当するように

2020
メイン退社

2021
チルローブの運営をスタート

【DATA】
chillrobe
https://chillrobe.theshop.jp/

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2022年8月号 Vol.185」)

この記事を書いた人
パピー高野
この記事を書いた人

パピー高野

断然革靴派

長崎県出身、シティーボーイに憧れ上京。編集部に入ってから服好き精神に火がつき、たまの散財が生きがいに。いろんなスタイルに挑戦したい雑食タイプで、ヨーロッパからアメリカものまで幅広く好む。家の近所にある大盛カレーショップの名を、あだ名として拝借。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

【Highland2000×2nd別注】ヴィンテージのスクールマフラーに着想を得たトラディショナル スクールマフラー登場

  • 2026.01.23

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 昨年に続く、第2弾コラボレーション! 【Highland2000×2nd】トラディショナル スクールマフラー 昨年大...

アメリカンヴィンテージやヨーロッパのアンティーク品や建築物からインスパイアされた「ホリゾンブルー」のジュエリー

  • 2025.12.28

宝飾品と呼ぶべき繊細で美しいジュエリーを世に送り出し、国内外で人気を集めるHorizon Blue Jewelry。アメリカンヴィンテージだけでなく、ヨーロッパのアンティーク品や建築物など様々なものからインスパイアされた逸品は、大量生産できないため入手機会の少ない希少な存在だが、ここでは今後発売する...

「ORGUEIL」が提案する、凛冬を彩る大人のガーメンツ。

  • 2025.12.26

凛とした寒さが日に日に増し、コーディネートが重くなりがちな季節。クラシックなデザインと丁寧な作り込みのORGUEILのクロージングが、いつものスタイルを格上げしてくれる。さりげなく上質で存在感のある一着が、冬の日々を彩ってくれるはずだ。 Aniline Steer Oil A-1 Jacket 19...

日本屈指のインディアンジュエリーブランドが放つ、美しき馬蹄のシルバージュエリー。

  • 2025.12.24

日本屈指のインディアンジュエリーブランド・ファーストアローズがこの冬新たにリリースした「馬蹄」を象った「ホースシュー」シリーズ。奇しくも2026年は午(うま)年。ファッション面だけでなく、来年こそは飛躍を願う人にとって最高の開運アイテムとなるはずだ。 新作「ホースシュー」シリーズを一挙紹介! 1. ...

【VAN×2nd別注】スポーティなレタードカーティガンでひと味違うアイビースタイルを。

  • 2026.02.03

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【VAN×2nd】トラックカーディガン[レタードワッペンセット] 日本にアイビーの礎を築いたブランド、「VAN(ヴァ...

Pick Up おすすめ記事

こんなコスパのライダース、見たことある? 「中田商店」のオリジナルブランドのライダースを侮るなかれ!

  • 2025.12.29

東京・上野にある老舗ショップ、中田商店。そのオリジナルブランドが「モーガン・メンフィスベル」だ。中田商店というと、ミリタリーのイメージが強いが、モーガン・メンフィスベルでは、ミリタリーをはじめ、様々なレザーウエアを展開している。もちろん、ライダースのラインナップも豊富。今回は珠玉のライダースを紹介す...

ヘビーデューティど真ん中! レトロなデイパックに注目。

  • 2026.01.26

1977年に発売された『ヘビーデューティの本』という名著をご存知だろうか。当時数々の雑誌で、イラスト・ルポ(自ら現地に赴いて取材した内容をイラストを用いながら報告すること)を描いていた小林泰彦さんが手掛けた1冊で、いまだファッション好きにとってのバイブルとなっている。ヘビーデューティとは、「耐久性が...

上質な馬革をシンプルに愉しむ。石炭(COAL)を運ぶために使われていたコールバッグという選択肢

  • 2025.12.27

きめ細かく美しい銀面を持つことで知られる馬革。軽くて強靭、上品な質感、そして使うほどに味わい深い経年変化で、多くのレザーファンたちを魅了し続けてきた。そんな馬革をシンプルに愉しませてくれるのがINCEPTIONのコールバッグだ。 ヴィンテージをベースに、実用性を加味し再構築。 19世紀末から20世紀...

映画で観た欧米のクラシックな世界観をモダンに昇華。“好き”が詰まった空間で暮らす!

  • 2025.12.30

衣食住は、私たちが生活するうえで必要不可欠な要素である。なかでも日々の生活と最も密接に結びつく住居には、ひと際こだわりたいもの。自分のお気に入りの空間を作るための選択肢のひとつに、リノベーションがある。 “三人四脚”で作り上げた理想の居住空間 兵庫県芦屋市。豊かな自然と落ち着きのある街並みから関西で...

オリジナル建材で古民家をスタイリッシュにリニューアル! ビフォーアフターを大公開!!

  • 2025.12.28

2025 年の夏の時点では床だけが施工されただけの古民家を再び訪れると、当時とはまったく違う姿になっていた。カントリーベースはこの家にどんな魔法をかけたのか? 何でもない空き家が宝物なる材料と技術 [caption id="attachment_887933" align="alignnone" w...