「手帳はひとりひとつ」が大間違い!
先入観に縛られていたなぁと恥じる思いでいっぱいだが、そもそも「手帳はひとりひとつ」と思っていたことそのものが間違っていたようだ。文具沼の住人からは以下の手厳しい意見を頂戴した。
- 手帳は1冊で完結する必要はない。
- そもそも小さくてかわいい。
- M5は何冊持っていてもいい。
- 用途によって使い分けるべき。
などなど。
実際にM5が飛ぶように売れていくのを見ていると、前述の疑問が浮かんでいた私の私見が間違っていたのでは?とうろたえる。まずはモノは試しにとばかりに、購入を決意。
選んだのは服好き、レザー好きの本領を発揮し、いきなり「コードバン」。デニムを彷彿させる少し薄めのブルーコードバンを選んでみた。うーん、確かにかわいい……。愛用しているヤード・オ・レッドのペンシルがジャストサイズ! まずは相棒となる文具が決まったところで、リフィル選び……と行きたいところだが、使用前のシーズニングとばかりに、レザーのケアから試してみた。
いきなりコードバン! 手帳もレザーグッズなのでエイジングを楽しむ。
手帳と言っても、レザーグッズであることに変わりなく、私にとってはエイジングを楽しむ対象。モウブレィの皮革用ローションを試してみることに。普段からシューケアに使っているものだが、「汚れ落とし」「栄養」「ツヤ出し」が一気にできるという優れもの。基礎化粧品でいえばオールインワンのような便利なもの。塗り込みはネルドリップ用のフィルターの使い古し。これが実に使いやすく、以前から愛用しているのだが、塗り込んだ後はブラッシング。ブラシの先端で磨くと言うよりは、ブラシの線を押し付けるような磨き方が良いとか。
向かって右側だけローションを塗り込み、ブラッシングをしてみた。さすがに新品を磨いたのであまり差は感じないが、少しだけ色が濃くなっている。
そして次はクリーム。ツヤ出しと保革のためのクリームなので無色を選べば問題ないと思うが、靴ならまだしも手帳がベタつくのは困る。クリームを含ませすぎないようにうっすらと塗布、そしてブラッシングしてみたところうまくツヤが出てきた。革とシューケアグッズの相性は良さそうなので、中面もケアを行って使用前の準備は万端!
鏡面磨きやハイシャインとまでは行かないまでも、ピースした指がうっすら映るくらいまでケアを行ったのがお分かりいただけるだろうか。そしてやっとリフィル選び。ここは初心者ゆえに、『趣味の文具箱』編集部にもご協力いただき、いわゆる定番のリフィル類を紹介してもらった。
使い方は十人十色。リフィル選びの妄想が止まらない!
ひと口にリフィルと言っても罫線の幅や有無、色など様々だ。罫線がないものは自由にアイデアを書き留めたりするメモ代わりに、罫線アリの白はTo Doかな。色によって買い物リストにしたり、仕事用・家族用など内容を書き分けてもいい。Googleカレンダーで大方のことは賄っていたが、書き留めることそのものが楽しく、もっともっと使いこなしたい欲求に駆られる。また、この用紙が非常によくできている。穴のサイズは3.5mm。穴が大きすぎると用紙が動いてしまって書きづらいなどの現象が起こるため、アシュフォードは手帳とリング径、リフィルの相性を考え抜いた最適なサイズでリリースしている。さらに、穴にはよくみるとスリットが入っていて、書いた後に取り出しやすいように設計されている。さらにさらに、角が落とされているのは、M5より大きいサイズのシステム手帳にM5用のリフィルを入れた際に、穴とリフィルが干渉しないように計算されているもの。「バイブルサイズにはバイブルサイズ」、「M5にはM5のリフィル」と思い込んでいた自分の頭の硬さを思い知る。いやー、この沼、奥が深い! 実際に使わないと分からない、小さなディテールにこだわりが満載。
ポケットには名刺を入れてみた。暫定的な使い方だが、ここには定期券などのICカードでもいいかも。そしていま必要と思われるのが、
- 名刺入れリフィル
- カレンダー
- ペンホルダーリフィル
- M5専用のミニミニボールペン
M5に使いやすいサイズのボールペンとなると候補は以下だ。
- カランダッシュ エクリドール
- モンブラン モーツァルト
- カヴェコ リリプット
- アントウ ボールペンC
- 伊東屋 No.3ミニ
当然、予算との戦いもあるし、アントウは1cmほど長い、カヴェコはクリップが付属しない……など、いざ実際に選ぶとなると小さな差が気になって仕方がない!
M5の沼にどっぷりハマる日も近い!?
手帳の使い方は人それぞれ。特にM5はメモ帳やTo Doリスト代わりに使う人も多いので、あまり詰め込みすぎてもいけない気がする……。どんな機能を持たせたいかによってリフィルの内容は変わるし、収納物や添わせたいペンも変わる。ペンは添わせない方がいいという人もいるくらいだ。ただ、どんな使い方をしようかと思いを巡らせ、色々試すことそのものが楽しい。いまはまだ沼の縁に立ち奥の方を望遠鏡で覗いている程度だが、M5の沼の深さを窺い知ることができた。いっそのことオリジナルのボールペンをメーカーとコラボして作りたい衝動にすら駆られている。これから始まるM5ライフにワクワクが止まらない。
関連する記事
-
- 2024.11.21
GANZO(ガンゾ)が追求するシステム手帳の美学。
-
- 2024.11.21
英国発のダイカットマシンBig Shot(ビッグショット)で手帳をデコろう!
-
- 2024.01.19
[HIGHTIDE]より全部で210種類! 3月始まりの春ダイアリーを新発売
-
- 2023.11.29
さらに進化して再登場! PLOTTER「ホースヘアーII」新発売