メガネにおけるアメリカントラディショナルとは。
アメリカにおけるメガネの歴史を振り返れば、その黄金期はおよそ50 年代にまで遡る。セルフレームが広く愛されていたこの時代に、アメリカを代表するいくつかのアイウエアブランドが生み出したウェリントンというシェイプは、どんな顔のタイプにも馴染みやすく、着用者のスタイルを選ばない。その汎用性の高さゆえ、今日までメガネの定番として君臨し続けている。
DIGNA Classicとは?
全国に店舗を展開する大型メガネチェーン「パリミキ」。その代表である澤田さんがオリジナルブランドとして立ち上げたのが「ディグナクラシック」だ。前身となる「イキクラシック」は2008 年に誕生し、Dignity(= 威厳)からブランド名を拝借した「ディグナクラシック」へと引き継がれたのが2009 年のこと。まだ今ほど“トラッド” という言葉が囁かれていなかった時代に、ラスベガスのオプティカルショーで出会った50sごろのヴィンテージにヒントを得た澤田さんが、トラディショナルな当時のデザインを現代に蘇らせるために製作したのが[ジミー]であった。2019 年には旗艦店となる「ディグナハウス」もオープンさせ、絶好調だ。
神は細部に宿る。
1.WELLINTON ウェリントン
大人びた雰囲気のウェリントン型を現代風にアジャストし、個性を際立たせるデザインに仕上がっている。当時のムービースターなど多くの著名人が着用したシェイプでもある。
2.TENKAKU テンカク
“テンカク” はブリッジの上部を指す。国産ならではの技術力の高さがうかがえる、シャープで角の立ったテンカクのカッティングは、全体にメリハリのある印象を生む。
3.TEMPLE END テンプルエンド
ヴィンテージでよく見られたディテールである、滑り止めの意味合いも兼ねた通称“ギザ” の入ったテンプルエンド。実用性も十分ながらクラシカルなアクセントとして映える。
4.ACETATE アセテート
メガネに使われる素材のなかでも、もっともメジャーで安心感のある
アセテートの生地を採用。ほどよいツヤ感と変形のしにくさもこの素材の魅力だ。
5.KEYHOLE BRIDGE キーホールブリッジ
テンカク同様、メガネ製作の良し悪しの決め手となるブリッジ下部のカッティング。鍵穴をモチーフとしたキーホールカット仕様で、こちらも角の立った美しいディテールだ。
6.RIVET リベット
[ジミー]用に別注したオリジナルリベット。立体的なデザインは、フロントとテンプルでさりげなく主張し、[ジミー]の高級感を底上げしてくれる。
カラーだけじゃない。奥深きバリエーション。
(上から順番に)
985
[ジミー]の眉部分が段上がり仕様になった2トーンモデル。生地はイタリアのマツケリ社製アセテートを使用。ダークグレー/ライトグレー、ブラウン/ライトブラウンの2色を展開。3万3000円
965
素材にセルロイドを使用したモデル。アセテートよりも高い希少価値や、奥行きのある独特のツヤ感にファンも多い。ここ最近さらに生地が少なくなってきているため、今が狙い目。3万3000 円
955
[ジミー]のなかでも、もっともベーシックなモデル。かつて[935]という同デザインのモデルも存在したが、そちらとは工場が異なるため品番も違う。3万800円
945
テンプルとフロントをつなぐ“ヒンジ” と呼ばれるパーツの噛み合わせが逆になった“リバースヒンジ” 仕様。生産本数も少なくレアなシリーズとなっている。
Clip-On
[ジミー]専用のクリップオンサングラス。4箇所にフックが用意され、着脱容易なだけでなく、ブリッジにベータチタンを使用しているので、非常に軽量かつ
高強度と、実用性も高い。1万1000円
Color Lens
品番は[955S]。“S” はサングラスの意で、2カーブ&反射防止効果のあるARレンズを採用したライトカラーレンズ仕様。実はこちらもヴィンテージにあったモデルをベースに製作。3万5200円
老舗だからこそできたスペシャルモデル。
Bekko|最高級素材、本べっ甲で作った幻の一本。
[ジミー]史上、もっとも高価でスペシャルなモデルがこちらの“本べっ甲” を贅沢に使用したアートピース級の一本。桐でつくられたボックスと特製メガネケースが付属する。106万円
10k Gold|リベットに10金を使用した特別モデル。
2020 年にメガネ店である「金鳳堂」のために、たったふたつだけ製作したという、フロント左右に10 金のリベットが入るスペシャルモデル。こちらはすでに販売はされていない。参考商品
【問い合わせ】
ディグナハウス
03-5843-1612
https://www.digna-classic.com
(出典/「2nd 2022年8月号 Vol.185」)
Photo/Shotaro Yamagoe, Kenichiro Higa , Yoshika Amino Styling /Shogo Yoshimura Text /Shuhei Takano Hair&Make/ Takehru Kobayashi Model/Seigo Ando
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