コードバンとは?
コードバンとは、簡単にいえば馬の尻後部の皮。しばしば勘違いされるが、革の表面、いわゆる銀面ではない。床面(裏)を削り出し磨き上げることで現れる繊維密度の高い部分がコードバンだ。もちろん個体により現れる面積の大きさも異なり、削り出してみなければ分からないのも「革のダイヤ」と呼ばれる所以となっている。
コードバンの魅力とは?
非常に柔らかく、形状記憶に優れ、丈夫、というまさに靴のために最高の性質をもっている。また、使い込んだ際のエイジングにより、光沢が増していく。
一方で、染色の難しさがある。原皮の色が均一でないものが多く、その色の差が表れないよう濃い色に染色されることがほとんど。しかもコードバンは繊維が細いため、染色するのも他のレザーに比べて難しい。色が抜けていく特性をもっているため、色の入ったクリームでカラーをキープしてもよいし、色抜けをそのまま楽しむのも醍醐味だ。
オシャレ上級者の偏愛コードバンシューズたちをチェック!
レザー愛好家はもちろん、目の肥えたファッション業界人も魅了してやまないコードバン。業界をけん引するオシャレ上級者たちの愛用するシューズを紹介しよう。シワの数と輝きの深さが何よりも愛を語ってくれている。
ボンクラデザイナー 森島久さんの所有する、200足以上あるオールデンコレクションのひとつ。バーガンディカラーのコードバンという上品顔だが、「コルクソールゆえにタフに履けるのが魅力」だそう。
こちらも同じく森島さんの私物オールデン。希少なウイスキーコードバンを使用した美しいローファー。モカ部分はハンドソーイングされた逸品だ。
ブルーナボインデザイナー 辻マサヒロさん私物。1879年創業のドイツのオールハンドメイドシューメーカー、ハインリッヒ・ディンケラッカーのもの。「とにかくつま先部分の自由度がすごいんです」と辻さん。甲革には、ともに歩んだ9年分の輝きが。
モデル小村祐之介さん愛用のパラブーツ[ミカエル]は愛用して2年ほど。「コードバン製なので、ちょっと気を使うんですが、ドレスにもカジュアルにも履ける汎用性の高さはやっぱり魅力的ですね」
聖林公司プレスの神成竜太さんが愛用するオールデン。「一生ものを手に入れたいと思い手にした初コードバン」とのこと。キレイに光った状態で履きたいので、常に履く前にも磨き、もちろん帰宅した後もお手入れをしているそう。
もしコードバンのシューズを手にしたなら、その希少な革を大事にケアして育てていきたいもの。コードバンシューズのケア方法は以下の記事をチェックしよう。
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