ペンラックスが兼ね備える美しさと品質の高さ
ペンラックスは2015年に立ち上がった台湾のブランド。創業者のケヴィン・スー氏は学生時代にダニトリオという米国ブランドの漆ペンに魅了され、ペンの世界に足を踏み入れた。1999年にはODM(委託企業のブランドのペンを、設計から生産まですべて行うこと)の会社を設立。それから16年後、ODMの経験を生かし、自社のペンラックスを誕生させた。
ブランドを特徴付けるのは色彩鮮やかな軸。アクリルを中心として、一点一点模様の異なるマーブル柄の万年筆など、あでやかな筆記具を製作している。そして万年筆のほとんどの部品は自社工場で製作。指定の工場を通じて輸入するペン先などの部品にも、調整を施すことで、ブランド独自の味を付けている。「品質がすべて。コストを気にして品質に妥協することはありません」とケヴィン氏。
「手の込んだすばらしい製品を、適正な価格で提供し続ければ、ユーザーも真摯な思いを掬い上げて、我々のペンを使い続けてくれると信じています」
豊富に揃う字幅とペン先
シリーズやモデルごとにラインアップは異なるが、右のフレックスや左のスタブ1.1、金やスチールなど、多様な字幅やペン先を揃えている。ペン先はドイツのヨヴォ製で、独自の調整も施している。
乾燥防止のインナーキャップ搭載
インナーキャップはペン先の乾燥を防ぐための機構。ペン先を挿入して回転させると、キャップ内部を気密状態にして水分の漏れを防ぐことができる。
独自のアルミ製吸入機構
アルミを素材とした、ペンラックス独自の回転式吸入機構を搭載。インクの吸入量は約1.5mlと、多量の吸引ができる。アルミなので軽量な設計だ。
ペンラックスの多様なコレクションからメインの3シリーズを紹介!
DELGADO SERIES(デルガド シリーズ)
「DELGADO」は西語で「細い」の意味。ペンラックスのその他のシリーズよりも細めの設計(胴軸約13mm)となっているシリーズだ。アクリル軸だけでなく、「ブラック」のようにエボナイト軸もある。新作の「ファイアーフライ」は首軸が真鍮の低重心設計だ。
共通スペック:収納時約142mm・本体約131mm・胴軸径約13mm・重量約27g・吸入式
MASTERPIECE GRANDE SERIE(マスターピース グランデ シリーズ)
収納時約150mm と、万年筆では大型サイズのシリーズ。ボディの素材はアクリルにすることで、軽量化も実現している。クラシカなマーブル柄デザインも独特だ。
共通スペック:収納時約150mm・本体約134mm・胴軸径約17mm・重量約32g・吸入式
elite SERIES(エリート シリーズ)
ペンラックスの新たなシリーズ。キャップリングをこれまでよりも細くしている。縦の柄目が特徴の本体は、26 層にも及ぶ薄いアクリル板を重ね、高圧窯で圧縮して製作。模様が独特なだけでなく、圧縮により強度も高まっている。今後も更なるなカラー展開を予定。
共通スペック:収納時約153mm・本体約135mm・胴軸径約15mm・重量約43g・吸入式・スチールペン先F,M・税込42,900 円
長原幸夫氏による特別モデルが登場
「ニブ・シェイパー」として活動する長原氏が調整した特別モデルが、2024年6月以降に登場する。Bの字幅をイタリック字幅に研ぎ出した。その後も長原氏とコラボした4種類のペン先を展開予定。要注目!
デルガド シリーズ グラディウス青の洞窟
【問い合わせ】
ペンラックス(プリコ)
TEL 06-6443-0039
(出典/「『趣味の文具箱』2024年4月号 Vol.69」)
TEXT/小泉翔一(編集部) PHOTO/北郷 仁
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