無数のアートが織りなすギャラリーのような空間。
エンシニータス北部のムーンライトビーチまで徒歩3分という好立地に立つモダンデザインで仕上げられたこの家は、ビーチシティでの豊かな暮らしを追求するサーフサイド・プロジェクツの作品。元来ミッドセンチュリーモダンに、強烈にこだわっていたわけではなかったというオーナーだが、気になるオレンジのドアを開いた瞬間、目に飛び込んできたブルーカラーのキッチンを見て、この家に一目惚れしたのだと言う。
ブルーのキッチンバックスプラッシュは、デザイナーの考案により、大きなガラスの内側からペイントしたもので、継ぎ目の少ないスッキリとしたキッチンを作り上げる役目を担っている。パームスプリングスなどでもよく見かけるタンジェリンオレンジとプールブルーの色調は、カラフルなトーンが特徴のミッドセンチュリーモダンの中でも、特に印象が強い定番の組み合わせ。オーナーもそのハッピーなカラーコンビネーションと、この家が持つクリーンなイメージのナチュラルウッドカラーとの相性の良さが気に入ったのだそうだ。
また、空まで開けたスペースとして設定していたバックヤードだが、あまりに日差しが強すぎるという贅沢な理由で、現オーナーがアウトドアリビング部分に大きな屋根を延長。デザインにマッチさせたナチュラルウッドのシーリングとアルミフレームで構成される新しい屋根は、オリジナルの家に美しくマッチしている。
一方、室内にはオーナーが愛して止まないローカルのアーティスト、アンディ・デイビスの作品がなんと60点以上も飾られ、まるでアンディのギャラリーかと目を疑うほど。全てのアートがコピーではなくオリジナルピースなのだから、下世話な話だがそれだけでもなかなかの価値。それぞれの作品も、オレンジとブルーが基調になっているもので揃えられ、家全体のムードにしっかりとした統一感を与えている。
Mellow Yellowと名付けられたこの素敵なミッドセンチュリーハウスは、ネーミング通りメロウな風が吹き抜ける、居心地の良さが印象的な作品だ。
オーナーの本宅は15分ほど離れたサンディエゴ市内にあり、この家は週末だけ訪れるセカンドハウスとして使っているため、まるでモデルルームのように整理されている。家中の至る所にアンディ・デイビスのアートピースが飾られていて、まるでアンディのギャラリーと言っても過言ではないほどだ。ブルーとオレンジを基調とするが、背景となる調度品などに合わせてアンディのアートも色調が変えられる。
直線を組み合わせたシャープな外観のこの家は、チャコールグレー、アルミ素材、ナチュラルウッド、そしてオレンジドアが組み合わされたデザイナーの意欲作。
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