これであなたも目利き! ヴィンテージスウェットの年代の見極め方。

ヴィンテージスウェットの製造年代の見極め方は、ガゼットの取り付け方やフライスリブを割っているかどうか、さらに肩や首周りの縫製などを総合的にみて推測する必要がある。ここではクルーネックのスウェットシャツとスウェットパーカに分けて、旧いスウェットの見極め方を解説する。

【スウェットシャツ編】

【ポイント】

  1. ガゼットの付き方、縫製は年代判別に有効
  2. リブの長さに注意
  3. ステッチ針の数も重要なポイント

1940s

ガゼット:ガゼット周りもすべて2本針縫製になっている。裏をみると、はめ込みタイプであるのが分かるが、これは1940年代までのスウェットシャツに多く見られるディテールだ

リブ:袖のフライスリブも2本針縫製だが、リブは割られている。袖リブを割らずに筒状のままで使っているモノもあり、より旧いものであると考えられる。また、一般的にはリブが長い方が旧い個体だと推測される

1950s

ガゼット:ガゼットははめ込みではなく、被せたタイプで4本針縫製。1950年代までのガゼットはやや大きめで、プリントも高い位置に施されており、雰囲気も抜群

リブ:胴リブはやや長めで、割らずに筒状のまま4本針で縫製されている。これは1950年代らしいディールである

1960s

内縫い:ガゼットがなく身幅はやや狭い。首周りの縫製は内縫い仕様になっており、1930年代から使われているが、1950年代以降によく見られるディテールのひとつである

【スウェットパーカ編】

【ポイント】

  1. フードの付け方で年代が変わる
  2. 肩やリブの縫製にも注目すべし

1940s

肩の縫製:肩の縫製も2本針によるものだ。2本針とは、生地を2本のステッチで繋ぎ合わせる縫い方を指す。1940年代らしい縫製も随所に見ることができる

フード:球数が少なく、ヴィンテージ市場でも希少な、首リブの上にフードが縫製された後付けパーカ。柔らかい薄手の1枚生地のものは逆にレアな存在だ

胴リブの縫製:40年代のものということだけあって、胴リブはかなり長く設計されており、2本針で縫製されている。杢グレーに白ステッチという組み合わせだ。もちろんリブは割れていない

1950s

肩の縫製:肩はやはり2本針縫製。ダブルフェイスの肉厚な生地をしっかり縫製するため、糸の番手もかなり太い。まさに、アウターとしてのヘビーな作りを踏襲したパーカである

フード:風を通しにくい重厚感のあるフードは防風性が高く、チャンピオンの魅力のひとつ。おそらく、アウターとしても着用できるように設計されたパーカなのだろう

胴リブの縫製:胴リブは割っていない筒状のものを2本針で縫製している。しっかりと目の詰まった生地は風合い豊かで雰囲気抜群。ボディと若干カラーが異なるツートーンのデザインも魅力だ

細かなディテール写真は本誌に掲載されているのでぜひチェックしてみてほしい。

(出典/「Lightning 2025年4月号 Vol.372」)

この記事を書いた人
みなみ188
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みなみ188

ヤングTRADマン

1998年生まれ、兵庫県育ちの関西人。前職はスポーツ紙記者で身長は188cm(25歳になってようやく成長が止まった)。小中高とサッカーに熱中し、私服もほぼジャージだったが、大学時代に某アメトラブランドの販売員のアルバイトを始めたことでファッションに興味を持つように。雑誌やSNS、街中でイケてるコーディネイトを見た時に喜びを感じる。元々はドレスファッションが好みだったが、編集部に入ってからは様々なスタイルに触れるなかで自分らしいスタイルを模索中。
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