「これからビザールプランツを始めてみたい」。そんな人に多肉系ユーフォルビア3兄弟をオススメする3つの理由。

その奇妙で愛らしいフォルムやインテリアとしても存在感があることから、塊根植物の愛好家は急増中。そんな塊根植物の魅力にずいぶん前から傾倒し、自身のセレクトショップを立ち上げたときに、趣味が高じて塊根植物も販売し始めてしまったというオーナーが、すでに塊根植物の「沼」にハマッてしまった人や、初心者で塊根植物を育ててみたいと思っている人にもやさしくお届け! 今回は初心者におすすめしたい品種を紹介。

これから塊根植物を育てたいという方に挑戦していただきたい品種を紹介します。

寒さの厳しい冬の終わりも近づき、少しずつ春の気配を感じる季節。寒い冬は休眠期だった夏型の植物も、徐々に動き始める季節の到来です。

近年の植物人気で「珍奇植物」や「ビザールプランツ」という言葉を耳にしたことがあり、興味は出てきたけれど、寒い季節はちょっと不安で様子を見ていた人もいるのではないでしょうか?

また、珍奇植物の育成は始めてみたいけれど、種類も沢山あって名前を覚えるだけでもひと苦労、どんな品種から育てたらよいのか迷っている人も意外と多いのでは?

今回は、そんな人にもオススメの品種である多肉系ユーフォルビア3兄弟(勝手に3兄弟と呼ばせてもらいます)ホリダ、バリダ、オベサをご紹介したいと思います。

せっかくなので3品種のご紹介とともに、おすすめの理由も3つに分けてご説明します。

オススメの理由1 「比較的丈夫で育てやすいこと」。

数あるビザールプランツの中でも、比較的育てやすい品種として名前が挙がることも多い3品種ですが、実際に私自身も育成しやすい品種だと実感します。

多肉系ユーフォルビアの中では普及種であり、日本でも古くから親しまれている品種ですが、長年人気のある理由には育成のしやすさもあると思います。

南アフリカの乾燥地帯に自生する多肉系ユーフォルビアは体内に水を貯めることができるため乾燥にも強く、むしろ水の遣りすぎに気を付けるぐらいです。

日当りの良い環境を好みますが、真夏など日差しが強すぎる場合はやや遮光気味で管理したほうが調子は崩しにくくなります。

夏型なので冬の寒さは苦手ですが、冬季は水遣りを控えめにして5℃以下にならないように屋内の日当りの良い場所などで育成します。

育成が簡単だと言うと語弊はありますが、数ある珍奇植物の中でも目立った気難しさが無く、初めての方でも失敗のリスクは少ないかもしれません。

画像は「ユーフォルビア・ホリダ」。花が咲いた後に残る棘(花茎)がサボテンに似た多肉系ユーフォルビアで肌が白く棘の多い個体が好まれます。参考価格:4400

オススメの理由2「入手しやすく価格もお手頃」。

内容が重複しますが、日本でも古くから親しまれている3品種なので比較的流通は多く入手もしやすくなります。ビザールプランツを扱う専門店であれば通年販売している場合もあるので出会える機会も多い品種です。

また、高額な品種も多いビザールプランツの中では価格も割と手頃な部類であり、オールドオベサやスーパーバリダと呼ばれる様な特別なタイプでもないかぎり、数千円で購入できる場合がほとんどです(数千円でも十分に高額な植物ではありますが……)。

価格面で踏み出せず、躊躇していた人にもオススメの品種なのです。

画像はユーフォルビア・バリダ。ホリダと同じように花が咲いた後の花茎が残るのが特徴ですが、バリダの花茎はやや長く甲虫の足の様な雰囲気があります。肌の縞模様がハッキリとした個体や花茎の多い個体は特に人気があります。参考価格:5830

オススメの理由3 「カッコよさと可愛らしさ」。

どんなに育てやすくても、価格が手頃であったとしても、その植物自体を気に入って愛着が持てなければ楽しく育成することはできません。もちろん好みは人それぞれですが、こちらの多肉系ユーフォルビアは初見で気に入る人も多い植物です。

カッコよさを求める人と可愛らしさを求める人。ホリダ、バリダ、オベサの3品種は、そのどちらの期待にも応えてくれる存在だと思います。

画像はユーフォルビア・オベサ。多肉系ユーフォルビアの中でも知名度の高い人気種で、このオベサばかりを収集する愛好家もいるほどです。小さな個体は球形をしていますが、大きくなると柱状に成長していきます。画像の個体は肌が少し木質化していますが、近年は木質化した個体ほど人気の高い傾向が見られます。参考価格:5060

こんな交配種も存在します。

最後はちょっと変わり種をご紹介。画像は今回ご紹介したホリダとバリダの交配種になります。どちらの特徴も受け継いだ姿は、交配種ならではの魅力でもあります。

ご紹介した多肉系ユーフォルビアは雌雄が存在するので、受粉して種を採取するには雄株と雌株をそろえる必要があります。

しかし、雌雄が揃い開花のタイミングが合えば違う品種同士でも受粉ができるため、こちらのホリダ×バリダの様な交配種を生み出すことも可能です。もちろん、オベサ×バリダなどの様々なパターンの交配種も存在します。参考価格:5390

今回は入手もしやすく、人気の高い多肉系ユーフォルビア3品種をご紹介させていただきました。少し暖かくなるこれからの季節、育成を始めてみるのはいかがでしょうか。

【DATA】
BIZARRE GREEN
長野県長野市篠ノ井布施高田879-1
TEL026-247-8160
営業時間 11時~20時 火曜定休
https://www.bizarre-green.com

この記事を書いた人
傳田達朗
この記事を書いた人

傳田達朗

塊根植物案内人

セレクトショップ 「BIZARRE GREEN」オーナー。約20年勤務したアパレルメーカーで商品企画やプレスを担当。2019年に独立し、地元である長野市にアパレルをメインに趣味の延長で植物も扱うセレクトショップBIZARRE GREEN(ビザールグリーン)をオープン。植物以外の趣味はヴィンテージ雑貨の収集など。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

Pick Up おすすめ記事

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...