愛好家からの人気も高い、稀少なアズテキウム属のサボテン。

  • 2023.12.18

その奇妙で愛らしいフォルムやインテリアとしても存在感があることから、塊根植物の愛好家は急増中。そんな塊根植物の魅力にずいぶん前から傾倒し、自身のセレクトショップを立ち上げたときに、趣味が高じて塊根植物も販売し始めてしまったというオーナーが、すでに塊根植物の「沼」にハマッてしまった人や、初心者で塊根植物を育ててみたいと思っている人にもやさしくお届け! 今回は身近なサボテンのなかでも希少種と言われる品種を紹介。

1属3種の稀少サボテン「アズテキウム」。

植物の中でも身近な存在であり、誰もが知る「サボテン」。

現在、サボテン科として認められている品種は、約140属の中に2000種ほど、亜種なども含めると更に多くの種が存在するとされています。今回は、その中でも極めて稀少で愛好家にも人気の高い13種のサボテン「アズテキウム属」を紹介します。

最初のアズテキウム「アズテキウム・リッテリ」。

1928年、メキシコのヌエボ・レオン州で発見された最初のアズテキウムとなる「アズテキウム・リッテリ」。属名のアズテキウム(Aztekium)は、このサボテンの皺だらけの表皮を持つ姿が、かつてその地で栄えたメソアメリカ文明の国家であるアステカ(Azteca)の彫刻に似ていることに由来しています。種小名であるリッテリは、発見者である植物学者フリードリッヒ・リッター氏に敬意を表し命名されています。

ちなみに「花籠」という和名があり、日本ではこの名で呼ばれることが多いサボテンです。

現在は13種であるアズテキウム属でのサボテンですが、このリッテリが発見されてから1990年に2種目となるヒントニーが発見されるまで11種だと思われていました。

また、アズテキウム属のサボテン3種に共通して、サボテンでありながら目立った棘は無く棘を持たないか、極小の棘を持つ程度なのも特徴です。参考価格:13200円。

2種目のアズテキウム「アズテキウム・ヒントニー」。

種小名の由来である、植物学者ジョージ・セバスチャン・ヒントン氏が1990年に発見した「アズテキウム・ヒントニー」。この種が発見されたことにより60年以上に渡り11種だと思われていたアズテキウム属のサボテンは12種となります。

リッテリと同様に非常に硬い肉質を持ちますが、リッテリと比べると大型になる品種で稜の切込みが深く、表面に入る細かな溝が特徴的なサボテンです。

以前、このブログで11種のサボテンとして紹介した「ゲオヒントニア・メキシカーナ」も1990年にヒントン氏が発見した品種であり、同じ場所に自生していることが知られています。参考価格:31900円。

3種目のアズテキウム「アズテキウム・バルデジー」。

2011年に発見されたアズテキウム属の3種目となる、最も新しい品種「アズテキウム・バルデジー」。種小名は、発見者であるマリオ・アルベルト・バルデス・マロキン氏に敬意を表して命名されています。株はリッテリのように小型で、表面に入る細かな溝はどことなくヒントニーに似た雰囲気があります。

アズテキウム属のサボテン3種に共通することでもありますが、生育期に咲かせる花は可憐で美しく、育成の楽しみでもあります。バルデジーの花は紫がかったピンク色をしており、中心部は白いのが特徴です。

ちなみに、バルデジーは「紅籠」という和名で親しまれておりますが、この花の雰囲気にもピッタリな名前だと思います。参考価格53900円。

 

今回ご紹介したアズテキウム属のサボテンは、自生地の個体が激減しており今は厳重に保護されている品種です。

現在入手できる個体は、親株から株分けされたカキコや種から育成された実生株などが主となります。3種とも非常に成長が遅く12年では変化が分からないほどですが比較的丈夫な品種であり、長い年月をかけてじっくりと育成を楽しめるサボテンだと思います。

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