日々の足としても使うインディアンの名作。

ライフスタイルやコーディネイトにも注目が集まるグラッドハンドの橋本佑さんの愛車は、工場が閉鎖するまでサイドバルブエンジンのみの展開であったインディアンモーターサイクルのチーフ。ストック状態だった個体をアメリカで発掘し、大胆なカスタムを施したこだわりが、実に橋本さんらしい。

ハーレー乗りが多かったから、あえて探したインディアン。

「グラッドハンド」橋本佑さん|1988年生まれ。神奈川県出身。2010年にグラッドハンド コアのスタッフとなり、現在は企画からプレス業務までオールマイティに活躍。またカメラマンとしても活躍

グラッドハンドの名物スタッフであり、その個性的なライフスタイルやコーディネイトにも定評のある橋本さん。これまでにヴィンテージの陸王やトライアンフなどを乗ってきた橋本さんの愛車は、当時ハーレーと双璧をなした名門インディアン。この車両は、スプリングフィールドにあった工場が閉鎖されるファイナルイヤーのモデルとなる。

「周りがハーレーに乗っている人たちが多かったこともあり、インディアンを探していたんです。そんな時にアメリカでストック状態のチーフが見つかったとの情報が入り、購入することになりました。それが4年くらい前の話です」

オリジナリティの高い車両だったが、思い切ったボバーカスタムを施している。その一番のこだわりは、ワンオフで作ったエキパイで、エンドをヴィンテージのマフラーにしている点。またリアのプランジャーサスペンションと干渉してしまうので、マフラーを叩いて、クリアランスを作った。

「昔ながらのサイドバルブエンジンですが、前に乗っていた陸王よりも断然パワフルで、通勤はもちろん、ロングツーリングでもストレスがありません。グラッドハンドでは、こういった旧いモーターサイクルやアメリカ車から、デザインのインスピレーションを得ることも多くあります。自分にとっては欠かせない存在です」

1953 Indian Chief

当初はオリジナルパーツが多く残ったストックコンディションの個体であったが、自身が理想とするボバーカスタムに変更。ハンドルはフランダースを使うなど、随所にレアなヴィンテージパーツを使っているのもポイント。

ハンドシフトのノブには、当時のコインをカスタムしている。今も存在する日本でもお馴染みのオールドクロウバーボンのヴィンテージである。

もっともこだわったのが、ワンオフで作ったエキパイ。オリジナルのマフラーが付いていたが、あえてヴィンテージのエンドに交換している。

ヴィンテージのヘルメットは‘30年代のフランスのGENO。アルミで作られており、経年変化とともにクラシック感が漂う。

プラスマイナスのドライバー付きのツールは、オールドクロウのボビーがボーイスカウトに入った際に支給されたものを譲ってもらった。

バッグの代わりに使っているのが、'40年代のハンティングをモチーフにしたツールベスト。シルケット加工なしのジッカー染めのダック生地。

【DATA】
GRADHAND CORE
東京都渋谷区神宮前2-19-11
TEL03-6438-9499
営業/12:00〜19:00
www.glad-hand.com

(出典/「Lightning2023年8月号 Vol.352」)