’90年代の音楽、映画、バイクカルチャーが自分のカッコいいスタイル。

シルバーを中心に展開するブランド「シルバースミスフィン」を主宰する河村潤さんは、アクセサリーはもちろん、カスタムバイクの装飾も手がける人気アーティスト。10 代の頃から親しんだアメリカンカルチャーがライフスタイルに反映されている。

エボリューションエンジンが’90年代の憧れだった。

1995年式のエボリューションエンジンをリジッドフレームに搭載したチョッパー。ミッションは5速。1340㏄から1400㏄へ排気量をアップしている

「幼い頃から、いつかバイクに乗りたいと思っていました」

キッカケを語るのは、アクセサリーブランド「シルバースミスフィン」代表の河村潤さん。アメリカの伝説的カスタムビルダー、故インディアン・ラリーの友人であり、彼のチョッパーに彫銀を施したことでも知られている。

実際に免許を取得したのは17歳になった’91年の時、世界的なバイクブームの渦中だった。

「ハーレーが登場するハリウッド映画が好きで、『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』とか『48時間パート2』を観ていました」

’90年代ロックやパンクも好きで、生き方やファッションに強い影響を受けているという。

「インディアン・ラリーが好きになったのは’90年代半ば。まさかその後、彼のカスタムを手がけると思わなかった(笑)」

ハーレーに乗るようになったこの頃で、軽量モデルのスポーツスターを乗り継いだという。

「エボリューションエンジンのビッグツインにも興味がありましたが、’95年にあった阪神淡路大震災の影響もあって、当時はスポーツスターが精一杯でした」

経済的な面もあって断念したが、現在の愛車はかつて憧れたエボリューション。30 年近く経ったヴィンテージでありながらも、信頼性の高さが気に入っている。

「自分の乗りたいタイミングで乗れる気軽さがいいんです。なにより楽だしカッコいい」

カスタムされた車両を手に入れ、少しづつ手を加えて現在のスタイルに。好きな時に乗れるエボリューションの気軽さがお気に入り
2007年に現在の地にギャラリー兼工房を移転。オリジナルのシルバーやレザーアイテムのほか、アパレルも展開している
プッシュロッドカバーカップやキーフックなど、個性的でユニークなアイテムも多く、バイカーから支持されている

1995 HARLEY-DAVIDSON EVOLUTIONのディテールを拝見!

グランジ全盛の’90年代に人気を博したロックバンド、アリス・イン・チェインズが好きで、曲名をバイクに命名。ロッカーカバーに彫銀した。

エンジンのプッシュロッドカバーを装飾するオリジナルのブラスカップ。スカルやマルチーズクロスなどのモチーフをあしらっている。

T-man performance製のビレッドアルミシリンダーヘッドを搭載。スポーツスター用のロッカーカバーを装着し、彫金を施している。

シングルタイプのポールコックス製サドルシート。スカルのカービングやサイドのレース編みなどが施され、装飾性が高い逸品。

【DATA】
SILVERSMITH FIN
兵庫県神戸市中央区栄町通り4-2-1
TEL 078-351-5859
営業/13:00〜20:00
休み/土曜

(出典/「Lightning2023年4月号 Vol.348」)