冬に楽しめるキク科の塊根植物、「オトンナ」を知っていますか?

  • 2023.07.04  2023.02.12

国内のアパレルブランドから独立し、地元の長野にセレクトショップを立ち上げたときに趣味で育てていた塊根植物もいっしょにセレクト。それからはオンもオフも塊根植物とすごす今日この頃。

そんな塊根植物の「沼」にハマッてしまった愛好家として、塊根植物の「あれこれ」を、すでに詳しい人だけでなく初心者や塊根植物を育ててみたいと思っている人にもやさしくお届け! 塊根植物の紹介や、育て方のコツ、ちょっとした塊根植物にまつわるツールや雑貨などをゆるーく記事にしていきます。今回は冬に楽しめるおすすめ植物を紹介します。

塊根植物には「夏型」と「冬型」が存在。

今、たくさんのファンがいる塊根植物。その多くの品種が南アフリカやマダガスカル島に自生したものになります。近年は、メディアやSNSを通じて目にする機会も増えたことで、以前よりも身近な存在になったのではないでしょうか。

しかし、本来は暖かい国に自生する塊根植物。多くの品種が、秋の終わりと共に落葉し寒い冬は休眠期を迎えます。それらは「夏型」と呼ばれるタイプの塊根植物で、日本でも人気の高い「パキポディウム・グラキリス」なども夏型の塊根植物です。

今回紹介する植物は「オトンナ・カカリオイデス」と呼ばれる品種で、日本では秋頃から芽吹き始め、冬に葉を茂らせて可愛らしい花も咲かせてくれる「冬型」タイプの塊根植物です。花を咲かせるので、初めての塊根植物としても楽しめる品種ではないでしょうか?

オトンナはキク科の塊根植物で、南アフリカには140種類ほどが生息しており、その姿も多種多様。こちらのカカリオイデスは、小さな芋のような塊根が可愛らしい品種で、枝を伸ばさずに塊根から葉が直に生えるのも特徴といえます。その可愛らしい姿で女性にも人気の高い品種です。

生育期には花芽をぐんぐん伸ばし、先端にはキク科らしい黄色く可憐な花を咲かせます。

ちなみにこちらの個体は、実際に南アフリカに自生していた現地球になります。

こちらの現地球は塊根幅で5㎝程度と、サイズはやや大きめ。現地球ならではの艶めかしい肌と、ボコボコとしたフォルムが魅力的。

こちらは、日本国内で種を蒔き育成された実生株。

塊根幅は1.5㎝程度ですが、こんなサイズでもしっかりと開花しています。希少種であるオトンナ・カカリオイデスですが、以前と比べ入手もしやすくなり価格も少し落ち着いてきた印象です。

ほんの数年前までは、このサイズの実生株でも1万円台後半から2万円ほどとまさに高嶺の花という感じでした。

気になる現在の市場価格は私のショップだと大きい現地球は¥29,000+tax(現在は品切れ中)、実生株はサイズにより¥4,000¥6,000+taxぐらいです。

今回はカカリオイデスのみを紹介しましたが、本当に魅力的で多種多様なオトンナ。他にも、ユーフォルビオイデスやヘレーなど、人気の品種だけでも数え上げればきりがないほど存在します。それらの品種も含めて、今後も少しずつ紹介していきたいと思います。

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