【クルマ専門店ガイド】ヴィンテージのアメリカンSUV“JEEP ワゴニア”の専門店「バディオート」|神奈川・横浜

クルマの専門店をクルマとともに紹介していく連載『クルマ専門店ガイド』。今回はヴィンテージのアメリカンSUV『JEEP ワゴニア』の専門店であるバディオートにお邪魔した。

納得のいくクルマだけを扱う、信頼できる相棒的ショップ。

港北インターを出てすぐの場所に店舗を構えるバディオート。モーターホームも余裕で格納できる広大なファクトリーをもつ。顧客を中心に整備待ちのクルマが並ぶ

ワゴニア専門店として知られる神奈川県横浜市のバディオート。代表の水野さんは2022 年4 月に自動車文化の新たな創生を図るクラシックカーのイベント『オートモビルカウンシル2022』にワゴニアを出展するなど、ワゴニアの価値を高めてきた人物。

「とかくアメリカ車はいい加減に扱われたり、軽んじられることが多いので、ワゴニアのブランド価値を上げていかないといずれは無くなってしまうと思ったからです」とワゴニアへの想いを語る。だからこそバディオートはクルマをやみくもに仕入れたりはしない。

「素性の知れたクルマを素性の知れたお客様に販売しています。バディとは相棒という意味で、この関係性が大事なんです。お店が上でもお客様が上でもありません」

バディーオートとバッグとアパレルのブランド『Sturdy Luggage Supply』の代表を務める水野大册さん。クルマはもちろんアメリカンライフスタイルを愛する遊びの達人だ

【注目の一台。その①】1977 AMC JEEP WAGONEER

Specification|全長:4661mm 全幅:1920mm 全高:1420mm ホイールベース:2761mm 車両重量:1920kg エンジン:V8 排気量:6400cc 駆動方式:4WD 運転席:左 変速機:AT

メタリックブルーに輝くジープ・ワゴニア。この個体はバディオートの顧客が乗っていたもので、現在リフレッシュを終えて再販売しているもの。今までの履歴がはっきりしているので、安心して購入することができる1台だ。

'63年にデビューしたワゴニアは'78年に丸目から角目にヘッドライトが変わり、'91年までほぼ仕様を変更せずに生産された稀有なモデル。もちろんエンジンはV8で吸気系はキャブレターだ。この愛好家も多いワゴニアを専門に扱うバディオートの代表が水野さんだ。

「ワゴニアに関してはあらゆる症例を把握しており、難しいことや他ではやらないこともやりました。ただレストモッドのようにお金を沢山かけて、見た目は似ているけど中身は別物の乗りやすいクルマを作りたいわけではありません。今の日本で乗るうえで問題になりそうな部分は変更しますが、モーターはオリジナルをベースにして雰囲気や振動、そして匂いが感じられるクルマが理想ですね。ただ『エアコンなしでいくぜ』みたいなのはナンセンス(笑)。好きなものを快適に、そしてカッコよく楽しんでいきたいというスタンスです」

ターコイズブルーの爽やかな室内。ダッシュの割れなどもなく、ストック状態を維持している。レザーはドライバーズシートのみ張り替えた
エンジンは旧いアメリカ車ならではの6400㏄という大排気量のV8。各部はキッチリとメンテされておりヘルシーなサウンドを聞かせる
ミディアムブルーメタリックのカラーが夏の日差しに映える。錆もなく、いかにオーナーが大切にしていたかがわかる
当時モノのオプションパーツであるルーフラックを装着している。ここにキャンプ用品や遊び道具を満載にして、家族や仲間とドライブしたら最高じゃない?

【注目の一台。その②】1997 FORD E-350 B.C. Vernon

Specification|全長:5990mm 全幅:2480mm 全高:3270mm エンジン:V10 排気量:6800㏄ 乗車定員:10名 就寝定員:8名 駆動方式:2WD 運転席:左 変速機:AT

バディオートがワゴニアの他に力を入れているのがモーターホーム、いわゆるキャンピングカーだ。アメリカンカルチャーの中でもカリフォルニアスタイルを好む水野さんならではのチョイスである。

バディオートの場合、モーターホームも単に車両販売するだけではなく、ここで紹介する個体のように居住空間をカリフォルニアスタイルに「リフォーム」するなど、ライフスタイルのひとつとして提案している。

水野さんは『スターディ ラゲッジ サプライ』というレザーや帆布を使ったバッグとアパレルを展開するブランドを運営していることは本誌読者ならご存じのことと思うが、そのセンスを車内の雰囲気づくりや各ファブリックの選択などにいかんなく発揮。日本の「キャンピングカー」とはまったく別モノの、まるでサーファーズハウスのような居心地のいいモーターホームに仕上げている。

モーターホーム然とした外観だが、入口から一歩進むとそこは別世界。清潔感のある白い壁と板材を使用した天井など、まるでサーファーズハウスのような雰囲気がある
ソファや収納扉の色など、カラーコーディネイトのセンスはさすがのひと言。これは実際にカリフォルニアのサーフーシーンを知るバディオートだからこそできるスタイリングだ

もちろんその分プライスは上がる。だが、バディオートなら売りっぱなしではなく、今後のメンテナンスもお願いできるのが最大のポイント。モーターホームのような特殊な車両では、特化したノウハウが必要となるからだ。本気で購入を考えている人は、まずは相談してみることをお勧めする。

スタンダードなアメリカンバンのドライビングシート。今から25年前の車内だが、良好なコンディションを維持している。ドラレコやバックカメラなどの安全装備もインストール済み
残暑も長く続く昨今なので、これからの季節にも強い味方となるルーフエアコン。冬はガソリンを使用するFFヒーターでいつも車内はポカポカの空間にできる

【DATA】
バディオート
神奈川県横浜市港北区新羽町1218-1
TEL045-534-0030
https://www.lucent-jp.com/

(出典/「Lightning2022年10月号 Vol.342」)