今から10年前に発売し、大きな話題となった別冊ライトニング『ナイキクロニクル』。ヴィンテージナイキコレクターの方々に協力して実現した企画だったが、その中心メンバーがこの兼近さん。彼はなにやら謎のミニチュアを集めているとか? 一体どんなものなのか、完全非売品のコレクションを見せてもらった。
『ナイキクロニクル』の世界をミニチュアで再現。
ヴィンテージコレクターで、サザンオールスターズのトリビュートバンドの代表を務める兼近俊哉さん。デニムにも造詣が深い
ヴィンテージナイキのコレクターとしても知られる兼近さん。近年、ミニチュアサイズのナイキをコツコツと集めているという噂を聞き、その真相に迫った。
兼近さんのコレクションルームの一角にあるナイキクロミニクルコレクション。まるでヴィンテージスニーカーコレクターのシューズラックのようなディスプレイだ
「仲間たちで制作したナイキクロニクルをモジって、〝ナイキクロミニクル〟と名付けたハンドメイドのミニチュアなんです。これだけ数を持っているけど、実は自分で作っているわけではないんです(笑)。自分はサザンオールスターズのトリビュートバンド『いとしのエリーズ』と『風鈴サザン会』をやっていて、ファンのriokaさんという方が、私の敬愛するナイキのスニーカーをモチーフにしたフィギュアをプレゼントしてくれたんです。すっかり気に入り、あれもこれも作って欲しいとオーダーしたら、こんな数になったんです(笑)」
素材の調達から制作まで行うriokaさん。ひとつの作品の完成にはかなり時間がかかる。趣味なので当然販売はしていない
制作過程のひとコマ。アロハの最大の特徴であるハワイアンパターンは、ヴィンテージを忠実に復刻するため、自身で手描きした
手描きのイラストをデータ化し、市販のナイロンに転写したというから驚きだ
兼近さんのナイキクロ“ミニ”クルコレクションを拝見!
ALOHA
コレクター垂涎のモデルであるナイキ・アロハ。1984年のホノルルマラソンを記念して発売されたランニングシューズである
アロハの象徴であるトロピカルなアロハ柄まで再現。一度、手描きでアロハ柄をトレースし、それをナイロン生地にプリントするほど凝っている
COLORADO
1977年にリリースされたメッシュアッパーのランニングシューズ。やはりキモとなるのは、このメッシュ素材で、市販品で見事に再現
FLYTE WET
1972年に発売された初期モデルであるフライトウェット。ポリウレタンコーティングされたアッパーの質感を見事に表現している
PROTOTYPE
この個体は、1977年5月号のメンズクラブで、創業者のひとりであるビル・バウワーマンが手に持っていた貴重なプロトタイプである
THE STING
ヴィンテージナイキのアイコン的なザ スティングは、1976年にリリースされた名作ランニング。特徴的なシューレース部分まで再現
ELITE SMU
EVAをいち早く取り入れたハイテクモデルであったエリートは1977年発売。これは兼近さんが所有する選手別注のレアカラーである
PROTO TYPE
こちらは商品開発の際にサンプルとして作られたプロトタイプ。そんな希少なコレクターズアイテムでもミニチュアを制作している
CHELAN
アディダスのカントリーと同時期にリリースされたクロスカントリー用シューズ。鮮やかなグリーンカラーをソールまで再現した
BASKETBALL SHOES
ナイキの名作バスケットシューズであるダンク、エアジョーダン1、ターミネーター、ブレザーもラインナップ。これらもオリジナルカラーを忠実に再現しているからスゴイ!
(出典/「Lightning2022年3月号 Vol.335」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/S.Kai 甲斐俊一郎
撮影協力/ナイキクロミニクルのInstagram:@ nike_chrominicle 兼近俊哉さんのInstagram:@ toshiya_towa_kanechika