数々のバン&キャンパーを乗り継いできた男が選ぶ、究極のサーフビークル。
「ただ大きいキャンパーがいいかと言うと、実はそうでもなくて、余計なキャビネットがあるとサーフボードや道具を積みにくくなってしまう。このキャンパーは最初からサーフィンありきだったので、余分な装備は作らず、自分が使い勝手がいい仕様を考えたらこうなったんです。自分でも予想以上の出来に大満足です。早くこれでサーフトリップに行きたいですね」
サーフボードを積みやすくて、海から上がった後にゆっくりくつろげるスペース、さらに遠くの海まで走れる機能性、それが梶川さんのサーフィンライフに必要なものだった。
元々シートやキャビネットがないカーゴバンをベースにハイルーフ化しているため、車内は広々として立つこともできる。すべて自分で考えた仕様だから、梶川さんのライフスタイルにこれ以上なくマッチする、世界にひとつのキャンパーに仕上がったというわけだ。
泊まるためだけじゃなくサーフィンを前提としたカスタム。
無駄なものが一切ない車内は、壁・天井の木張りや棚、ソファ、テーブルなどすべて自作。素人が作ったとは思えない完成度。ペイズリー柄が描かれる’70sのクッションフロアと赤い絨毯のコントラストもクールだ。
額装された海を匂わすアートは、車内のウッディな雰囲気と相性抜群。西海岸のサーファーたちのクルマでよく実践されているテクニックだ。
サーフボードや釣竿は、スペースを圧迫しないようにルーフの部分に柱をかけて収納している。柱の上にはクッションが配されるなど、道具を傷つけないための工夫がなされている点もさすが。
窓の内側はフィンを並べたり、ルアーを吊るしたりと小物の収納に有効活用。窓から外の光が入るので車内の雰囲気にも大きく影響している。
ハイトップのシェルはファイバーライン製。車両を輸入する前に’70年代の型を使ってオーダーで製作してもらい、窓は自らシェルをカットしてはめ込んだ。もはや素人の業ではない。
このように梶川さんのサーフィンライフに必要なものだけを装備したカスタムキャンパー。ベッドになるソファとテーブル、ボードを積む棚があれば余分な装備は必要ないという考えから極めてシンプルな部屋となった。
ボードを40本以上積めるので、ヴィンテージボードの仕入れにも活躍していると言う。ルーフに窓を取り付けているため、カーゴバンでも車内に光が差し、リアゲートを開ければ風通しがいい優雅な空間に仕上がった。
1977 CHEVROLET G10 CARGO VAN
ワーゲンのキャンパーやE350ベースのウィネベーゴを乗り継ぎ、梶川さんが辿り着いた答えはカーゴバンを自分仕様にモディファイすることだった。ワーゲンバスでハイルーフの利便性に気づき、余分な装備がないカーゴバンをベースにプロジェクトをスタートさせ、約2カ月で完成させた。収納力や居住性、パワー、梶川さんが求める条件をすべて満たしたこのマシンは、自分のこだわりを追求できるというセルフカスタムの本質を表現している。
(出典/「Lightning6月号増刊 VAN STYLE」)
Text/Y.Kinpara 金原悠太 Photo/S.Sawada 澤田聖司 取材協力/ホーリースモーク TEL045-914-5573 http://www.holysmoke.jp
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