旧車で現代の走りを楽しむプロツーリングスタイルにカスタムされたシボレー・カマロ。

シボレーを代表するスーパーカー・カマロ。その初代カマロの最終年式である’69年をベースにプロツーリング仕様に仕上げた一台がこちら。バンパーやミラーなどをボディ同色とした鮮やかなイエローに、カーボンで仕立てられたボンネットが強いコントラストを生み出している。こまかなディテールを見ていこう。

1969 Chevrolet Camaro

リアビューで最も特徴的なのがバンパーの意匠。ナンバーを挟んで左右分割式とし、マフラーもセンター出しに変更されている。テールライトもフラットサーフェスとなったマルクス デザイン社製を採用する

このクルマ最大の見所は、TCI社製の社外フレームに、社外のニューボディを使用しているという点。つまり基幹構造は全て新品なのだ。アメリカ車の中でもポピュラーなカマロの、さらに最も人気の年式だけあって、細かなパーツまでほとんど全てが入手可能。その気になれば何もない状態から一台ビルドアップすることも可能なのだ。

カーボン製フロントフードが外観の大きなアクセントとなっている。バンパー下のバランスパネルは、マルクスデザイン製。純正スポイラーも同色でペイントされる

エンジンは435hpを発生するGMのZZ383ニューエンジン。トランスミッションはT56型6速マニュアルを組み合わせる。本来フロンとセクション以外はモノコック構造となるカマロのボディは、フレームを入れることで剛性をアップ。さらにフロントバンパーやリアフェンダー後端など、比較しなければ判らない細かな部分を仕様変更しオリジナリティを強調している。

エンジンはGM製ZZ383 クレートモーターで 430hp を発生する。配線や配管などを目立たないように取り回す、ワイヤータックと呼ばれる手法でエンジンルームもシンプル

またヘッドライトベゼルやドアハンドルも微妙にディテールの異なる社外品を採用。オリジナル車両にはない魅力を放つ一台となっている。

そのほかのディテールも見ていこう!

ドアシルガードプレートはRING BROTHERS社のネームが施されたビレットアルミ製。アルミの塊から削りだした逸品だ
グリルにあわせてブラックアウトしているために目立たないが、ヘッドライトの周囲を覆うことでひとまわり小さく見えるRING BROTHERS社製ライトベゼルを採用
ドアミラーはモデルチェンジ後の’70年式カマロに採用される流線型のタイプを装着。ボディと同色にペイントしているのも特徴
ブラックアウトされたドアハンドルは、RING BROTHERS社製のビレットアルミ製。見た目だけでなく操作感も極めて良いという
ホイールはバドニックの18インチで、ポテンザタイヤをセットする。ブレーキはWilwood製でストッピングパワーを強化している
正面から見ると、バンパーが小型化され、ボディに食い込むようにセットされている様子が良く判る。細かな意匠だが、雰囲気はオリジナルとは全く異なる
トランスミッションはTKO製6速マニュアル。シフターはHURSTをチョイスしたシンプルな仕様
アルミビレット製のフードヒンジはRING BROTHES社製。その下に見えるのが、フェンダー内を通されるエアコンの配管
ダッシュやドアパネル、センターコンソール は、マルクスデザイン製で統一。ダッシュはデザインもマルクスデザインのオリジナルと なっている
メーターハウジングにはAuto Meter社製の カーボンファイバーゲージをマウントする。 大小7個のゲージが見やすいように配置されたレーシーな印象
通常ドアシル下部でフロアパネルとサイドパネルが溶接によって接合されるため、接合しろが見えてしまうが、この車両は接合部をスムージング。あわせてレインガーターもカットすることでサイドビューがさらに美しく昇華した

取材車のスペックを紹介!

Chevrolet/Camaro

  • エンジン: 水冷4ストロークV型8気筒
  • 総排気量:6276㏄(447ci)
  • トランスミッション:TKO社製T56型6速マニュアル
  • サスペンション:TCI IFSキット+コイルオーバー(フロント)、TCI 4リンク+コイルオーバー(リア)
  • ブレーキ:Wikwood 13inch ローター&6potキャリパー(フロント)、13inch ローター&4potキャリパー(リア)
  • ホイール:BUDNIK G-series 18×7J(フロント)、18×8J(リア)
  • タイヤサイズ: 225/40-18(フロント), 265/40-18(リア)

【問い合わせ】
Rising Sun
静岡県静岡市駿河区用宗1-35-1 TEL054-257-8460
http://www.risingsun-hr.com

(出典/「別冊Lightning Vol.165 VINTAGE CARS」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

Pick Up おすすめ記事

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...