というわけで、そんなアメリカンカルチャーと共に歩んだきて雑誌「ライトニング」編集部が“大きなアメリカ” を探してみたぞ。ヒストリカルからアクティビティまで、アメリカのビッグスケールを感じさせるモノ・コトをカリフォルニアを舞台に見ていこう。
1.「カリフォルニア州立鉄道博物館」で、西部開拓時代を生きた開拓者の大きな夢を感じる。
東部からの開拓者により新天地カリフォルニアが湧いた19世紀中頃。大平原と大山脈と幾多の峡谷を乗り越えて大きく発展していった大陸横断鉄道は、彼らが抱いた大いなる夢と希望、はたまた野望を運び、西部開拓を加速させていった。その時代のうねりは、この鉄道博物館で直に感じることができるのだ。
19世紀中頃までは、広大なアメリカ大陸を横断するには過酷な陸路を幌馬車で進む「オレゴン・トレイル」と呼ばれるルートしかなかった。1948年にカリフォルニアで金鉱が発見され、その翌年に起こったゴールドラッシュで詰寄せた開拓者――フォーティーナイナーと呼ばれる金鉱脈目当ての何十万もの山師や開拓者が、その苦難の道を通り新天地カリフォルニアへ渡っていったが、1869年、大陸横断鉄道が開通したことにより、安全なルートで西海岸へ移住することが可能になったのだ。
そんな時代に使われていた貴重な機関車を21両保管しているのが、このカリフォルニア州立鉄道博物館だ。ここの見所はなんといっても、当時活躍していた機関車が、どのように人々の生活や経済に影響してきたかが分かる展示物。中でも注目はこの画像の蒸気機関車。1862年にアメリカで最初の大陸横断鉄道を西から東に向かって完成させるために、セントラル・パシフィック鉄道が初めて製造した蒸気機関車ガバナー・スタンフォード1号機だ。
他にも、1877年製造の冷蔵貨物車や、重い貨物列車を牽引するために、大量の水と重油燃料を積載した大型の炭水車を搭載する1910年製造の機関車など、歴史的な車両を展示。
博物館は午前10時から午後5時まで開館しており、大人は12ドル、子供は6ドル、5歳以下は無料となっている。
【DATA】
California State Railroad Museum
125 I St, Sacramento, CA 95814
TEL+1-916-445-7387
http://www.californiarailroad.museum
2.世界の通貨供給量を急増させた、ゴールドラッシュの夢の跡を見に行く。
西部開拓時代といえば、やはりゴールドラッシュ。1849 年を境に盛り上がりを見せたこの出来事は、カリフォルニア各地に様々な鉱山を生み出した。その中で、カリフォルニアで最も旧く、そしてかなりの深さと広さ、膨大な金鉱を誇った鉱山があった。その興味深い場所は現在でも見学できる。
1848年に農場使用人であったジェームズ・マーシャルが、サクラメントにあるアメリカンリバーにて砂金を発見したことから始まったゴールドラッシュ。そんなカリフォルニアドリームを求め移住した開拓者は選鉱鍋を使い砂金を採取していたが、次第に大規模な金鉱脈の採掘へと発展していく。
こちらの金鉱脈跡地はゴールドラッシュ黎明期に発見されたエンパイア鉱山。カリフォルニア州ネバダ郡グラスバレーに位置する。この鉱山はカリフォルニアでも最大級の規模を誇り、1956年に鉱山が閉鎖されるまでの間に採掘された金の総重量は15万9000キロにも及び、現在の価値に換算すると80億ドル(1ドル112円で計算すると日本円にして8960億円)の金を産出した。
その膨大な金鉱脈を有していたエンパイア鉱山は、坑道規模も膨大なものとなっており、網状に広がる坑道の総距離は367マイル(590キロ、東京都から広島県福山市までの直線距離ぐらい)と、想像を絶する規模を誇っている。そんな一攫千金の夢の跡地は現在州立公園として保存され、ガイド付き鉱山ツアーが体験できる。
坑道のメインシャフト入口はこの建物にある。施設のオープンは午前10時、クローズは午後5時。入場料は、17歳以上は7ドル、6歳から16歳までは3ドル、それ以下の年齢は無料で見学が可能。鉱山ツアーは入場料に含まれる。
【DATA】
Empire Mine State Historic Park
10791 E Empire St, Grass Valley, CA 95945
TEL+1-916-653-6995
http://www.empiremine.org
3.アメリカらしいでっかい乗り物を観察する!
日本の国土の約25倍もの広大な面積を持つアメリカ。だから広すぎて、移動するにしろ仕事するにしろ、やっぱりビッグスケールな乗り物じゃないと始まらない。これってやっぱり国民性? そんなビッグなビークルを見つけて楽しむのもアメリカ旅の楽しいところ。
ウニモグU300 ダブルキャビン仕様をカスタム!
日本国内では作業現場や災害現場でしか見かけないウニモグ。メルセデス・ベンツが世界に誇る多目的作業用自動車だ。その「ウニモグU300」のダブルキャビン仕様を発見。荷台にロールバーを装着したフォルムは、さすがはピックアップがバカ売れするアメリカらしいカスタムだ。
全長18メートルは、ほぼ電車1 両分の長さなんです。
バス1台あたりの輸送力に比べ、倍近くの能力を持つ連節バス。さすがは国土の広いアメリカ、至る所で走っています。こちらはノース・アメリカン・バス・インダストリーズ社が開発した「60-BRT」という車両。全長18m、全幅2.59mの大型サイズで、最大定員数は130人ほど。
プロムでのチャーターで一番人気はハマーH2リムジン!
高校最後の学年に開かれるプロム。日本人には馴染みのない、フォーマルなスタイルで楽しむ、高校卒業ダンスパーティだ。その際に良くチャーターされるのがこの「ハマーH2リムジン」。全長11mで総定員数は18人、6000㏄のV8エンジンは350馬力を誇る。やることが派手だ。
バカらしくも壮大な発想がアメリカンな巨大スケボー。
「100人乗っても大丈夫!」のイナバ物置状態に見える巨大なスケートボード。これはスケートパークやアクション
スポーツ施設をデザイン・ビルドする「カリフォルニア・スケートパークス」が製作したもの。もの凄く楽しそう!
全長規制が緩いアメリカはボンネット型が主流。
大陸を横断する「ビッグ・リグ」はエンジンが前にあるボンネット型が特徴で、ヘッド部分の全長だけで10mほど。全長規制が緩いのでびっくりするぐらい長い。これもアメリカならではの光景である。
働くクルマも尋常ではないスケール感となる。
国土が広いと働くクルマも必然的に大きくなる。こちらのホイールローダーは「キャタピラー980M」という建機で、一度に多量の土砂を積み込むことができる。
お酒を持ち寄って乗る10 人乗り自転車。
「Beach Barcycle」と呼ばれる乗り物で、「Bar」と「Bicycle」を掛け合わせた名前の通り、酒を飲みながらバーカウンターに座るように漕ぐ。体を動かす分、酔いが早く回るというドランカー仕様(笑)
4.ビッグな3大アメリカンフード「ピザ」「ホットドッグ」「ハンバーガー」を食す。
アメリカを代表する食べ物といえば「ピザ」に「ハンバーガー」に「ホットドック」だ。でもね、物事には適正サイズってものがあるんです。だけどアメリカンはちょっと違う。でもそこにシビれる! これはアメリカでしか経験できないお楽しみだ!
“54×54” インチのギネス記録を保持するピザ!
南カリフォルニアに19店舗も展開する「ビッグママス&パパス・ピザリア」が提供するのが、この54インチ×54インチ(137センチ×137センチ)の正方形ピザ。このピザを使ったフードチャレンジを開催しており、8人チームで2時間以内に完食すれば1000ドルの賞金を手に入れられる。しかし今までに60〜70チームほどチャレンジしたが、成功例はわずか4チームほど。そりゃそうだろと、思わず頷くほどのスケール感。だからアメリカの食文化は面白い!
店内で食べるだけでなく、デリバリーにも対応しており、2012年にギネス記録も獲得。60〜70人分の量があり、価格は1枚250ドル、箱が60ドルとなる。
【DATA】
Big Mama’s & Papa’s Pizzeria Burbank Location
321 E. Alameda Ave. #A Burbank, CA 91502
TEL+1-818-841-8844
[Store Hours]Mon.- Sat. 10am-12Midnight/Sun. 9am-12Midnight
[Delivery Hours]Mon.- Sun. 10am-12Midnight
http://www.bigmamaspizza.com
食材にこだわって作られる7段重ねのタワーバーガー!!
本場アメリカのハンバーガーは、サイズ感もビッグだった。このホーキンス・ハウス・オブ・バーガーで提供されるのは、ボリューミーな肉食系バーガーだ。“Leaning Tower of Watts!” と命名されたこちらのメニューは、パティに100%アンガスビーフを使い、ベーコン、パストラミ、ソーセージなど食材にこだわって組み合わせた7段重ねとなっている。4〜5人分はあるので、家族で集まる時やパーティなどでオーダーがよく入るそう。25ドル。
シェフ歴35年のフェルナンドさんが調理したタワーバーガーは、ガブリとかじった瞬間に美味さに満ちた肉汁が口の中に広がる! このサイズ感はヤバい!
【DATA】
Hawkins House of Burgers
11603 S Slater St, Los Angeles, CA 90059
TEL+1-323-563-1129
Mon.- Fri. 7am-10pm Sat. 8am-10pm Sun. 8am-9pm
http://www.hawkinsburgers.com
深夜まで営業のメチャウマな巨大ソーセージのホットドッグ!
LAでホットドッグを食べるなら、今年で77年目を迎える老舗のピンクスは絶対に外せない存在。カリッした食感の後に口の中に広がる肉汁は、ソーセージの香味と旨味が存分に体験できる。この食べごたえ抜群のホットドッグは、地元のホットドッグ好きに愛され、その噂を聞きつけた全米の人々をはじめ、世界中からLAに訪れる観光客にまで伝わり、連日連夜お店は大繁盛である。
こちらは“Classic Stretch Chill Cheese Dogs”という定番メニュー。マスタードを効かせ、チリソースとオニオン、そしてチーズを合わせた逸品。5.15ドル。
【DATA】
Pink’s Hot Dogs
709 N La Brea Ave, Los Angeles, CA 90038
TEL+1-323-931-4223
Sun.-Thu. 9:30am-2am Fri.-Sat. 9:30am-3am
http://www.pinkshollywood.com
5.大きいことは大正義! これ、アメリカの常識よ!! とばかりの巨大お菓子や雑貨をゲットする。
モデルをしてくれたアミラちゃん(左)とジャスミンちゃん(右)。彼女らのキュートな笑顔と、手に持った異様なサイズのお菓子とのギャップ感がたまらない。もはやなんでそんな巨大なのか意味もわからないYouTuberのネタにしか見えない、アメリカンサイズへと巨大化した商品を紹介だ。
これじゃあ、まな板チョコじゃね?
5パウンド(2キロ)まで巨大化させたハーシーズ。巨大化したからといって、大雑把な味になる……わけではないので安心だ。33.50ドル(460×230×10㎜)
アメリカ出張での夜食にどうぞ!
アメリカンポテチの定番は、やっぱりレイズの塩味だ。通常サイズは1オンス(28グラム)に対し、パーティーサイズは13オンス(368グラム)だぞ。4.99ドル
肉食環境にはピクルスだ。
ステーキやハンバーガーなど肉食文化大国であるアメリカ。その定番お口直しのピクルスといえば、ブラシック社のコーシャー・ディル・ピクルスだ。80オンス(2.26キロ)という超お得サイズである。6.19ドル
ベアグミ1400個分のジャンボサイズ!!
本来は一口で食べられるサイズ感のベアグミだが、この製造会社は何を思ったのか、高さ27センチサイズの塊で製造。しかも重さも2キロと狂気の沙汰である。まるっと一個食べたらお腹いっぱい胸いっぱい間違いなし。30ドル
グレートアゲインなトランプ。
30センチ×20センチの巨大サイズとなったトランプ。こいつでポーカーなど遊ぼうものなら、大きすぎて親から自分の手持ちカードが見えてしまいそうで心配だ。10ドル
こんなサイズじゃ持ち歩けない!
麺棒サイズの鉛筆(40センチ/ 7.68ドル)を筆頭に、それに合わせた鉛筆削り(4.5センチ/ 8.32ドル)や消しゴム(15センチ×5.5センチ/ 4.87ドル)もある。筆箱にはまず収納できない。
デカいから口に入らない……っていう心配はご無用。
棍棒かっ、と突っ込みを思わず入れたくなるロリポップキャンディ。そのサイズは全長60センチ!でも心配ご無用。袋を開けると中にいっぱい小さいロリポップが入っているから。20ドル
拡大して掲載している訳ではありません。
巨大スライムかっ、とまたしても突っ込みたくなるハーシーズキスチョコ。この特大サイズは15センチと大人の手のひらサイズ。食べごたえのある逸品。23ドル
日本の冷蔵庫に入るサイズなのか?
洗剤かっ、と三回目の突っ込みを入れたくなる巨大容器のミニッツメイド。1ガロン(3.8リットル)という大きいサイズは、冷蔵庫で苦労しそうな大きさ。7.99ドル
お腹が空いても食べきれない!
「お腹が空いたらスニッカーズ♪」というCMのキャッチフレーズが、このサイズをみたら薄れてしまうほどデカい。15.95ドル(250×60×30㎜)
6.ビッグアメリカの流儀「ぶっ飛んだ遊び」を体感できるアクティビティに挑戦!
いい意味で人を驚かせる遊びを生み出すのがアメリカという国。その遊びの規模のスケール感がとにかく大きいのが特徴だ。そんな世界へ発信するぶっ飛んだアクティビティを2つピックアップ!
1.ラスベガスが誇る世界最大の観覧車で味わう、1周30分の空中散歩。
ラスベガス・ストリップ地区の観光名所「ザ・リンク」。そのエンターテインメント&ショッピング・プロムナードの終点に建造されたのが、世界最大の高さを誇る「ハイ・ローラー」だ。上の写真だとイマイチ大きさがわからないだろう。
下から見るとこのスケールだ。観覧車というのは、その国の建造技術を世界へアピールできる建築物だ。どこよりも高く、そしてよりエレガンスな造型美を世界に向けて披露できれば、その場所のランドマークとしても機能し、多くの人が訪れるようになる。
2017年現在、世界で一番高い観覧車は、カリフォルニア州ラスベガスにある。この「ハイ・ローラー」と呼ばれるこの観覧車は、最大定員40人の球体型キャビンをフレーム部分に28基有している。観覧車の高さは最大で550フィート(167 ・6 メートル)を記録し、30分間かけて1周する。そこからの眺望は、ラスベガスにあるフラミンゴホテルやウィン・ラスベガス、マンダレイ・ベイといった主要ホテルを見渡すことが可能だ。広大なネバダ砂漠の壮観はまさにファビュラス!!
昼19時までなら大人は25ドル、ユース(13~17歳)は10ドル。そして夜19時以降は大人37ドル、ユース19ドル。12歳以下は昼夜ともに無料だ。ネット予約なら割引もある。
【DATA】
High Roller
3545 S Las Vegas Blvd,Las Vegas,NV 89109
TEL+1-866-328-1888
11:30am-1:30am
http://www.caesars.com/linq/high-roller
2.ラスベガスの雑踏の上を滑空する絶叫ライド。
絶叫系アクティビティが多く存在するアメリカ。その中でも異彩を放つのが、ラスベガスの電飾アーケードの上空を滑り降りていくジップ・ラインである。絶叫ジャンキーはぜひ一度トライを。
▼詳しくはこちらの記事で紹介しているのでチェック!
【DATA】
SlotZilla Zip Line
425 Fremont St #160, Las Vegas, NV 89101
TEL+1-702-678-5780
Sun.- Thu.1pm-1am Fri.-Sat.1pm-2am
http://vegasexperience.com/slotzilla-zip-line
(出典/「Lightning 2017年5月号 Vol.277」)
Text/Lightning 編集部 Photo/T.Tawarayama 俵山忠 M.Naito 内藤真衣子 Y.Miyazaki 宮崎良将(Seven Bros.Pictures)
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