クルマ好きの大人による大人のための運動会!
石川県羽咋市の千里浜なぎさドライブウェイにてホットロッドやヴィンテージバイクがスピードを競い合う砂浜直線レース、千里浜サンドフラッツ。クラスは年式やシフトシステムによって区切られ、約150メートルの直線を隣に並ぶ車両より速く走り抜ければ勝ちという極めてシンプルなレースだ。今回で6回目となる千里浜サンドフラッツは年々人気を増しているが、なぜこのレースがそこまで注目されるのか。
千里浜なぎさドライブウェイは、クルマやバイクの走行が認められる全国でも希少なビーチサイド。水辺のそばを旧車がフルスロットルで走る姿は滅多にお目にかかれることじゃない。
つまり、参加者にとっても、ほとんどの人は普段走ることができない特別な環境下で愛車のスピードの限界に挑むわけだ。今回は2日目に雨が降ってしまったが、それでも全力で旧車の乗り味を楽しむ大人たちの無邪気な姿が印象的だった。自然相手だけに環境はコントロール不可能だが、大人たちが本気で遊ぶこの非日常的な運動会が熱くならないはずがない。
床が抜けるほど アクセルを踏める週末。
ルールはクルマ、バイク同様にシグナルガールのサインでスタートするサイド・バイ・サイドの直線レース。ホットロッドがアクセル全開で砂を巻き上げる姿は日本ではきっとココでしか見られない!
今回のレースもフォードのロードスターが数多く参戦した。雨の中なのに屋根無しなんて……と思うかもしれないが、いざレースが始まれば、あとは夢中でアクセルを踏み込むだけだ!
スーパーチャージャーを搭載するロードスターに乗る女性。気合いが入りすぎたのかスタート直後の見事な180度ターンで会場を沸かせてくれた!
ナックルで出場していたオーナーが、チューンした4バンガーを搭載するフォード・ モデルAロードスターでも参戦。時代感を統一したスタイルがカッコ良すぎ。
当時の雰囲気が残るフォード・モデルA 5 ウィンドウクーペのルーフから体を乗り出す。楽しそうな笑顔を見せるのはサイドモータースの中村さんであった。
Jモータースの瀬法司さんが持ち込んだ ’29年式フォード・ロードスター。中身は4バンガーエンジンを当時のキットパーツでOHV化したスペシャル仕様。
本庄サーキットで行われるホットロッド走行会『why not』で、フラットヘッドV8クラスの前回のチャンピオンマシン。サーキットからフィールドを変えた今回も、砂の上でも見事な走りを見せてくれた。
ハーレーのカスタムショップ、ラブ・ハンター・ガレージの小峰さん。バイクでもホットロッドでも雨に降られてしまったが、スタートの瞬間まで笑顔が溢れている。
クルマは1948年以前のホットロッド限定。ボバーやチョッパー以上に見ることの少ないホットロッドが爆音を響かせながら砂浜を駆け抜ける。快適という言葉とはかけ離れたマシンで泥だらけになりながらも笑顔を見せる姿にこのイベントの真髄を見た。
(出典/「Lightning 2018年8月号 Vol.292」)