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自動運転は、まず水上から! エバーブルーテクノロジーズの水上ドローンのテストを取材

水上ドローンの実用化に向けて、開発中のスタートアップ、エバーブルーテクノロジーズのテストを取材に行った。

エバーブルーテクノロジーズは最終的には『帆走の自動化技術』をテーマにしている。『風力』という再生可能エネルギーを利用して、輸送を行うのだ。帆船の自動運転が可能になれば、時間がかかるという点をのぞけば大量の物資を化石燃料を消費せずに輸送できるようになる。これは画期的な技術だ。

詳しくはこちらの記事を参照いただきたい。

自動化帆船は、エネルギーイノベーションの夢を見る【エバーブルーテクノロジーズ】

自動化帆船は、エネルギーイノベーションの夢を見る【エバーブルーテクノロジーズ】

2025年10月17日

パワフルな無人ドローン『AST-181』

『帆走の自動化技術』も『eb-NAVIGATOR2.0』として、すでに実現しているが、ビジネスとして立ち上げていくのには、どうやって収益を挙げていくのかという問題もある。そのために現在開発中なのが、同じ『eb-NAVIGATOR2.0』で動作する『AST-181』だ。

これは、トーイング用大型ラジコンボートをドローン化したもの。ジェットスキーのような水流ジェットを2機搭載した水上バイク。最高速度35km/hで、12kmの航続距離を持つ。

バッテリーは、43.2V 35Ah出力のものを2個搭載する。つまりは合計3,024Whだ。巡航速度は15km/h以上(滑走時)。

スマホで目的地を指定するだけで、その場所に急行

エバーブルーテクノロジーが開発した『eb-CONNECT』の画面上で、目的地をタップすれば、『AST-181』は自動的にターンして、目的地を目指す。

いくつかの目的地・経由地点を設定すれば、ターン時に外側に流れたりする(陸上と違って思ったようには曲がらない)ことも考慮に入れながら、経由地点をたどって目的地を目指す。

LiDARセンサーで障害物を感知して停止

この日、テストが行われたのは、LiDAR(iPhone Proにも搭載されている測距センサー)を使っての障害物の検知と停止の実験だ。

自動運転していても、実際には海上の障害物などを避ける必要がある。そのためLiDARで常に前方をスキャンしており、障害物があったら停止するのだ。

陸上と違って水上では、『AST-181』自体ピッチ方向(前後の上下)に動くから水面に反応したり、波が高ければ波に反応してしまったりと、実際にテストしながらチューニングしなければならないことは数多いのだそうだ。

この日の実験では、差し出した段ボールを前に見事に停止して見せ、段ボールをどけると再スタート……と見事に成功していた。

開発を主導するCEOの野間恒毅さんによると、速度を上げなければ6時間以上の航行が可能とあって、沿岸の巡視や、ダム湖の巡回、監視などさまざまな用途が見込まれるという。

自動操縦だけでなく、着岸時などさまざまな事態に対応したい場合はプロポでの遠隔操縦も可能である(写真は遠隔操縦時のもの)。

価格は400万円(税別)〜を予定

ハイエースに搭載可能で、そこから下ろしたり、終了後ハイエースに積んだりする作業も、ジェットスキーよりは小型なので簡単。

販売希望価格は400万円(税別)〜とのことだが、救難用設備や巡視用設備としては、高いとはいえないだろう。

早期の販売開始が期待されるし、帆船型ドローンの発展も楽しみだ。

(村上タクタ)

エバーブルーテクノロジーズ
https://www.everblue.tech/

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村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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