画業50周年を記念した「星野之宣原画展」が開催。原画に触れることで感じたカリスマの人間性

SF&伝奇マンガの巨匠、星野之宣。そのデビュー50周年と『総特集 星野之宣 大増補新版 デビュー50周年記念 想像と創造の彼方へ』『星野之宣50周年珠玉SF選集 星芒』の2冊同時発売記念による星野之宣原画展が、5月23日から6月4日まで東京・吉祥寺のリベストギャラリー創で開催された。

実物に触れ、その圧倒的な筆致を実感

画業50年の重みを感じさせる作品の数々

星野之宣は1975年にデビュー。同年『はるかなる朝』で手塚賞入選。『妖女伝説』『ヤマタイカ』『2001夜物語』といった代表作を持つ。2008年には『宗像教授異考録』で第12回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞している。

その星野が東京で個展を行うのはこれが初となる。会場には『宗像教授』『2001夜物語』『妖女伝説』等の直筆原画、創作ノートやスケッチブックの資料、総計100点以上が展示された。また、星野の画業50周年を祝い、この原画展には50年来の盟友である諸星大二郎も参加。彼らが1980年代に描いた原画が展示された。

筆者がこの個展に訪れたのは6月の雨の日のこと。天候にもかかわらず、熱心な読者と思われる人たちがズラリと展示された原画を長時間かけて鑑賞する姿が実に印象的だった。緻密なデッサンに裏打ちされた高い構成力は誰もが知るところだが、実物に触れると改めてその力強い筆致に圧倒された。

『はるかなる朝』と『ブルーシティ』で、この桁外れな才能との衝撃的な出会いを経験した昭和40年男世代だけでなく、SFファンにとって星野はカリスマ的な存在だが、原画に触れることで等身大の人間・星野之宣に触れられたように思えたのが、大きな収穫だった。

等身大の星野之宣に触れられた迫力ある原画

惜しくも今回の個展を体験できなかった星野ファンは、河出書房新社から発売されている二冊の本から当日の熱気と奥深い世界観を感じ取ることが出来るはずだ。この機会に是非、星野の偉業を共有して欲しい。

奥深い世界観が楽しめる二冊の書物が刊行

『総特集 星野之宣 大増補新版 デビュー50周年記念 想像と創造の彼方へ』
¥1,870(税) 河出書房新社刊
祝・画業50周年! 最新インタビュー、萩尾望都との合作マンガ、ゆうきまさみ、細野不二彦の寄稿など、旧版から100ページ以上を追加した超豪華版!

『星野之宣50周年珠玉SF選集 星芒』
¥1,980円(税込)河出書房新社刊
デビュー50周年記念出版。初期のSF名作を中心に、全人類が今こそ読むべき傑作を厳選。「残像」「月夢」ほか全8編に初公開の貴重な資料も収録!

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昭和40年男 編集部
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1965年生まれの男たちのバイブル

『昭和40年男』は、昭和40年(~41年3月)生まれの男性のための情報誌。誌面では同年齢の活躍を紹介したり、そろそろ気になってくる健康面をサポートする記事の他、かつて夢中になったあれこれを掘り下げる記事を多数掲載!「故きを温ね新しきを知る」──本誌は、昭和40年生まれのための温故知新を提供できる存在になるべく、「ノスタルジックな想い出が呼ぶ共感」を「明日を生きる活力」に変えることを命題に誌面づくりに奮闘中!!
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