今季着たいのは、ジャングルクロスを使ったWWIIのジャケット。

ヴィンテージピースを徹底的に検証しリプロダクションを生み出す手間はデザイナーの感性に頼るモノづくりの何倍も知識と労力が必要となる。この歴史への挑戦から素晴らしいプロダクツが誕生している。「再現させたい」とクリエイターたちを鼓舞するヴィンテージウエアの発見からすべてが始まる。まさにそんなクリエイターの思いを形にしたような、「JOHN GLUCKOW」というレーベルから、注目すべきアイテムを紹介する。

世界的ヴィンテージ・ディーラーの世界観を表現したランディングコート。

アメリカ東海岸を拠点にヴィンテージ・ディーラーとして活躍するジョン・グラッコー氏は、ヴィンテージ好きなら誰もが知る存在。西海岸に端を発するデニム中心のワークウエアではなく、アウトドアやカレッジ、ミリタリーなどを東海岸らしいアイテムを軸に、ファッション的な目線も加味したヴィンテージセレクトには、日本だけでなく世界中のヴィンテージファンが全幅の信頼を寄せている。

そんなジョン・グラッコー氏の世界観とWAREHOUSEがタッグを組み、グラッコー氏がセレクトしたヴィンテージを忠実に再現させるのが、その名も「JOHN GLUCKOW」というレーベルである。今回はその中でも、注目のランディングコートをお見せしよう。

作られたのは第二次世界大戦期。N-1などのデッキジャケットでお馴染みのアメリカ軍用のジャングルクロスが使われ、ミリタリーウエアや装備品の部品などをトリミングして流用されているのが特徴。おそらくアメリカ海軍の高官によるオーダー品と考えられる。そのためスペックタグなどのラベルは見られない。しかしながら、凝ったディテールとなによりジャングルクロスを使っている点にグラッコー氏も心酔しており、15~20年間所有し続けている。

JOHN GLUCKOW Lot.JG-08 WW2 The Landing Coat

ヴィンテージディーラーであるジョン・グラッコー氏が、15 ~ 20年来コレクションし続けるほど、レアな存在といえる第二次世界大戦期の1着。ラベルはなく詳細は不明だが、ディテールから間違いなくミリタリー関連のものと思われる。107,800円

襟をスタンド仕様にしてフードを閉めると首元までしっかりホールド。高い防寒性を誇る。

ベルベットとコーデュロイの内襟は、このジャケットの特徴。当時の太い畝の生地を忠実に再現した。

’40年代らしいベル型TALONジッパーを装備。俗にデコTALONと呼ぶエンドピースが付く。

袖先の内側にはウールリブを装備している。防寒性を高めるこのような凝った作りが随所に見られる。

マチ付きのスナップボタン付きポケットは、パラシュート部隊のウエアに使われていたものと同様だ。

ポケットの底部には排水用のベンチレーションも装備。かなり細部まで考えられた設計になっている。

ライニング生地にはポプリン素材を使用。裾部分は縮率と通気性を考慮して「フラシ」仕様だ。

N-1などアメリカ海軍のジャケットで使用されていたジャングルクロスをアウトシェルに使っている。

【DATA】
WAREHOUSE TOKYO
Tel.03-5457-7899
http://www.ware-house.co.jp

※情報は取材当時のものです。

(出典/「CLUTCH2023年11月号 Vol.93」)

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