英国海軍ならではの道具的ディテールの面白さを知っているか?

モノづくりやヴィンテージにおいて米海軍用の服ばかりがフィーチャーされるが英国海軍のウエアにもディテールやデザインの面白さはある。Soundmanがデザインのモチーフとしたジャケットは極めて珍しいアイテムだ。

興味深いディテールが詰まったロイヤルネイビーの服に惚れた。

デザイナーを務める今井千尋氏。ミリタリーを筆頭とするタフなウエアはもちろん好きだが、繊細なテイラードの世界にも精通する

ヴィンテージそのものの存在こそ知っていたものの、ひょんなことから出会ってしまい思わず目を奪われた一着のコート。それが1960年代頃に作られた英国海軍のサブマリンコートだった。

スリーブ部分にポッカリと空けられた穴。防寒性を高めるために肉厚に作られたボディであるため、腕の屈曲運動を妨げないためにデザインされた斬新なディテールに今井氏は驚きを隠せなかったという。

今井氏の創作意欲を掻き立てた1960年代製のロイヤルネイビーのサブマリンコート

「すごくキャッチーでありながら、理に適ったディテールだなとやけに納得してしまって、それを再現するために縫製工場などと何度も打ち合わせを重ね、ようやく生産に漕ぎ着けることができ、2シーズン目。未だにディテールに謎の多いロイヤルネイビーものなんですが、作り始めると徐々に理解していけることに気付きましたね」

英国海軍のサブマリンコートが基となり、生まれたのがミドル丈のジャケット、グランツ。スリーブ中央にはキャッチーな穴、いわゆるアクションプリーツ機能なるディテールが再現されている。もちろん今井氏ならではの現代的エッセンスを加えて再構築された服は、今やサウンドマンを象徴するアイテムとなりつつある。

「英国海軍ものには、まだまだ知らないディテールが隠されていて、それを時間をかけて掘り下げていくのも楽しみのひとつなんです」

ロイヤルネイビーのサブマリンコートで特筆すべきはスリーブ中央部にポッカリと開けられた穴。肉厚なアウターの袖の動きを妨げないためにデザインされたものなのだという

「Soundman Weekendstore」で見つけた面白いアイテム。

1.Grants ¥77,000

英国ミリタリーアイテムの中でも特に希少性が高く、コレクタブルアイテムとなっている1950~1960年代頃のロイヤル
ネイビーのサブマリンジャケットからインスピレーションを受け、再構築したミドルレングスのジャケット。

2.Wilmot ¥27,500_

英国海軍のオーバートラウザーの巾の太いウエスマンと米軍 M-43をハイブリッドさせたオリジナルデザイン。両サイドに装備される大型のポケットとゆったりとしながらも裾に向けてテーパードが施された特徴的なシルエットが大きな特徴。

【DATA】
Soundman Weekendstore
神奈川県横浜市中区山下町25 インペリアルビル 205
Tel.045-225-8918
営業/12:00~19:00
※土曜のみ営業
https://www.soundman.jp

※情報は取材当時のものです。

(出典/「CLUTCH2023年2月号 Vol.89」)

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