本場アメリカでも希少な、プレッピーの体現者。「ノア」ファウンダー・ブレンドンさんのプレッピーを作るアイテムとは?

本場アメリカから日本まで。世界規模でプレッピーの体現者たちは存在している(ごく少数ではあるが)。ストリートのエッセンスにトラディショナルのマインドを融合させた独自のテイストが持ち味のブランド「ノア」を展開するブレンドン・バベンジンさんもその1人だ。彼らの愛用品やルールを通して、プレッピーとはなんなのか? そのスタイルやマインドをすこしずつ紐解いていこう。

▼プレッピーってそもそもなんだ?

プレッピースタイルとは? 誕生から現在に至るまでその歴史を振り返ろう。

2023年08月04日

トレンドは一瞬だけど、プレッピースタイルは永遠。

「ノア」ファウンダー・ブレンドン・バベンジン|2015年、ニューヨーク マルベリーストリートに旗艦店をオープンし、ノアを本格始動。日本国内では東京 原宿、大阪 南堀江に店舗を、ドーバーストリートマーケット 銀座にスペースを展開。この日のニューヨークはあまり暖かくなかったために、ブレンドンはナイロンアウターを着用していた。80年代にアメリカ北東部で人気が高かったCBスポーツの1着だ。リジッド状態から穿き慣らしてきたデニムとラクに履けるローファーは、J.クルーのもの

ブレンドン・バベンジンさんは、ニューヨーク州ロングアイランドの出身だ。自身のブランドであるノアを本格始動したのが2015年。ノアは、スケートボード、サーフィン、ミュージックに造詣が深いブレンドンがストリートのエッセンスにトラディショナルのマインドを融合させた独自のテイストが持ち味だ。ニューヨークにある旗艦店で彼のプレッピー観について教えてもらった。

「よく『ブランドのインスピレーション源は?』と聞かれることがある。『プレッピースタイルとか、ニューウェーブやパンクなどの音楽とか、スケートボードやサーフィンとか……』と答えているね。ノアは、僕の人生を物理的に表現したもの。プレッピーとは、僕が若い頃にベースにしていたスタイルなんだ。80年代頃の僕や友人は、間違いなくプレッピーだったと言えるだろうね。

僕にとって、プレッピーとは流行にとらわれないセンスを持った人たちが集まるクラブという感じかな。80年代のプレッピーはとても進歩的で、多くの新しいアイデアやサブカルチャーを支持する役割を担っていたんだ。自分らしくいようと心がけること。どんなトレンドに対しても、そこに自分を合わせようと頑張りすぎないこと。そういう大事なマインドのあれこれをプレッピーから教えてもらったよ」

「ノア」ファウンダー・ブレンドンさんの欠かせないプレッピーなもの。

1.キャッチボール

「スペリーには特別な思い入れがある」と前置きをしつつ、「非常にクオリティが高く、キャンバスシューズのなかでも格別な履き心地」と語るのがキャッチボールの1足。

2.ヴュアルネ × ノア

1960年の冬季五輪で金メダルを獲得したスキーヤー、ジャン・ヴュアルネが着用していたブランドとコラボ。彼の幼少期、このモデルは大人気だったという。

3.J.クルー

スイムトランクスはランニングショーツにもカジュアルなデイリーショーツにもなる。ブレンドンはネクタイの柄を他のものに応用するのが好き。特にペイズリーがお気に入り。

4.ノア

ランチ、タオル、水泳用品、釣り道具など、その日に必要なものを入れて。シンプルを極めていて最大限に実用的なトートバッグは、プレップの世界で中心的な位置を占める。

5.ノア

ウールボディにレターをあしらったキャップ。「N」は、NOAHの頭文字。蛍光トーンのグリーンだったり、こちらのイエローだったり、帽子で鮮やかなカラーをチョイ足し。

6.ノア

最もシンプル、それでいて多目的なバンダナは多数所有。小さなスカーフやハンドタオルとして、ランニング中には汗が目に入らないようにヘッドバンドとして。

7.80年代に聴いていた音楽

ヘアカット100、ザ・キュアー、ザ・ハウスマーティンズ。ブレンドンがプレッピーだった80年代のバンドたち。ヘアカット100のレコードジャケットは、プレップの美学を視覚的に反映!

「ノア」ファウンダー・ブレンドンさんのプレッピースタイルのルール。

1.ポロの襟を立てて、サングランスをオン。

ポロシャツの襟を立てることで、よりカジュアルムードを創出。アウターの襟とのシルエットバランスもキャッチーだ。そこにサングラスを足して、アクティブムードも強調。

2.ナンタケット島の小物を身につける。

ロングアイランドに生まれ、サーフィンを愛好してきた彼は、潮の香りが漂うナンタケットノットワークスのロープブレスも好き。これも米国東海岸の伝統的アイテムのひとつ。

3.メッシュベルトで抜きと落ち着きを両得。

レザーベルトでは堅い。リボンベルトでは柔らかい。ちょうどいいのが、適度に落ち着きも漂わせながら、決して堅くは見せないメッシュベルト。ポロシャツやデニムと好相性。

4.ラクなローファーに、裾はカットオフ。

バーガンディーカラーのクラシックなローファーが好き(必ずしもコードバンでなくてOK)。デニムの裾は、カットオフの状態で合わせて気負わない装いを完成させている。

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2023年8月号 Vol.197」