履き心地以上にデザインが秀逸なレザースニーカー。「シナリ」こそ至高。

福岡の久留米に本社・工場を置くシューズメーカー「ムーンスター」が手がける2021年にローンチしたばかりの新ブランド、「シナリ」。これまでの「コンフォートシューズ」という言葉に対するイメージを覆す、ビジュアル面に優れたまったく新しいレザースニーカーだ。おまけにムーンスター独自の伝統的製法によって、その履き心地も格別。

靴と足がひとつになる!? DUS(ダイレクト・ウレタン・ソーリング)製法とは。

1873年に創業した「つちやたび店」に端を発する福岡・久留米のシューズメーカー「ムーンスター」。2021年から展開している新ブランド「シナリ」は、革靴のようなアッパーデザインでありながら、つくりや履き心地はスニーカーという、いわゆる「レザースニーカー」である。

通常のスニーカーであれば、アッパーとアウトソールの間、つまり足との接地面にインソールなどの別のパーツが用いられるが、DUS製法で作られるシナリにはそれらがない。軽量で耐久性のあるウレタンがほぼそのまま木型通りに形づくられるので、極上の履き心地が楽しめる

しかし、この「シナリ」はビジュアル面において従来のそれとは一線を画す。まずは、革靴同様の良質なアッパーデザイン。「シナリ」の企画担当に大の革靴好きがおり、ムーンスターの革靴アーカイブをデザインソースにしたという裏話を聞けば、その出来栄えにも納得だ。また、後ろに反り出たウレタンソールは、これまでに見たどんなレザースニーカーよりスタイリッシュ。

ムーンスターが約70 年前から採用している伝統的な製法、DUS(ダイレクト・ウレタン・ソーリング)。写真は下向きのアッパー(木型)の底部分に直接ウレタンを流し込んでいる様子。このあと発泡するウレタンを、たい焼き器のような金型で挟み込むことでアウトソールを形成

実はこのソール、ムーンスター独自のDUSという製法でつくられている。原料となっている液状のウレタンは、金型に直接流し込まれたあとに木型の形に沿って固まってアウトソールとなるため、足との接地面が足裏に沿うように立体的で、履いたときの足との一体感を生むのだ。軽量で履き心地がよく、なによりスタイリッシュ。これまでのレザースニーカーの常識を覆すシリーズの登場である。

ムーンスターが国内に所有する自社工場は、本拠地である久留米と、こちらの佐賀の2カ所。佐賀工場ではおもに革靴を中心に製造しており、DUS製法は約70年も前から現在にいたるまでこの工場で採用されてきた。そしてこの製法を実現できているのは、国内でも数社だけと言われている

スタイリッシュなコーディネイトで、革靴らしさもいっそう際立つ。

パンツ4 万1250 円/ハートリング×バーンストーマー(ヘムトPR☎ 03-6721-0882)、その他スタイリスト私物

アクティブな休日の足元を支える、革靴ではありえない履き心地。

バスクシャツ2 万7500 円/サバイ、ショーツ2 万7500円/コノロジカ(ヘムトPR☎03-6721-0882)、その他スタイリスト私物

DUS製法で作られる「シナリ」のラインナップを紹介!

SR001 SUMEN

ダービープレーンの[スメン]。全モデルのなかでももっともシンプルなデザインで、普段使いはもちろん、たとえばフォーマルなシーンでの着用にも適している。羽根部分のグレインレザーがアクセント。2万2000円

SR002 KESAU

革靴の主要デザインのなかでも、カジュアルな印象の強いウィング・チップ型。なお、プレーントゥの[素面(スメン)]に対し、こちらは[化粧(ケサウ)]と、モデル名までスタイリッシュな印象だ。2万2000円

SR003 OBI

他のラインナップと異なり、ひものつかないスリップオンタイプの[オビ]。平行に並んだ4本の甲ひもによって、脱ぎ履きが楽チンになるだけでなく、デザイン面におけるアクセントにもなっている。2万2000円

SR005 ORIKATA

「シナリ」のなかでも、もっともスニーカーらしい一足。ノーズが長くシューホールも多いため、モンキーブーツのような印象も受ける。履き口の切り込みはムーンスターの革靴アーカイブから着想を得た。2万2000 円

【問い合わせ】
ムーンスター
TEL0800-800-1792

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2nd 編集部
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