1.本格レザーなのにラフに着られる「JAMES GROSE(ジェームス・グロース)」の革ジャン。
普段キレイめな恰好が多い人は、武骨なライダースジャケットを敬遠しがちかもしれない。しかし使い方によっては、コーディネイトをぐっと引き締めてくれたり、男の色気をプラスしてくれたりと、着こなしの幅を広げてくれる。特に季節の変わり目の春には大活躍間違いないアイテムのひとつだ。
1876年、英国生まれの「ジェームス・グロース」は、そんなライダース初心者に、特におすすめしたいブランド。もとはロンドンでバイカーたち向けのプロダクツを扱っていた小売店で、かつオリジナルブランドも展開。英国での地位を確立したものの、1971年に惜しまれつつクローズ。そして近年、約40年の時を経て復刻したのだ。
ライダースジャケットには珍しい、現代的な繊細さを持っていながら、使用している素材やディテールは英国の由緒正しき意匠を引き継ぐ。そんな同ブランドが今シーズン打ち出すのは、肌触り柔らかなシープレザー。もともと持ち合わせていたソフトな雰囲気を助長するだけでなく、その着やすさもアップグレード。カジュアル、ストリート、モード……。どんなスタイルにも新鮮な喜びを与えてくれる「ジェームス・グロース」から、おすすめの3アイテムを紹介しよう。
01.DOVER[ドーバー]
「どうせ革ジャンは似合わないから……」という人にこそ試してほしいスタンドカラーは、過度な装飾もなく、いつもの服装に難なく馴染む。両サイドに配されたポケットも、あくまでタウンユースを意識しているからこそのディテール。触り心地に驚く柔らかなシープスキンの落ち感も美しい。カラバリでカーフスウェードも。10万4500円
おすすめコーディネイト
カジュアルスタイルにハマる上品なスタンドカラー。パーカやマウンテンパーカを羽織るよりグッとクラスアップできる。
02.NEW MANILA[ニューマニラ]
ブランドを代表するスタンダードなモデル。バイカーのことを考えてあしらわれたディテールが随所に見られ、[ドーバー]と比べても、より男らしい雰囲気に仕上がっている。とは言えブランドらしい上品さももちろん健在で、キレイめなタック入りパンツに合わせても全く違和感がないほど。14万8500円
ディテールをチェック!
アメリカのライダースに比べて長い着丈や袖丈は、インナーが風でばたつかないようにするため。また、ジッパーでバイクを傷つけないようにするためのジッパーカバーベルトや、横についたシンチバックなど、きちんとバイカーのことを考えてつくられたディテールが採用された本格派。
おすすめコーディネイト
男らしくもやはり柔らかな、ブランドの定番モデルは開襟シャツと合わせてもグッド!
03.BRIGHTON[ブライトン]
タウンユースを意識してつくられた、ライトな印象の[ブライトン]。ノーカラーなので、インナーとしてもアウターとしても着用しやすく、レイヤードを楽しめる。試したいけど“いわゆる” な革ジャンはどうしても苦手だ、という人の入門として。素材はラムスウェード。9万9000円
【問い合わせ】
グリニッジ ショールーム ☎03-5774-1662
2.革靴の聖地・ノーザンプトン発「TUSTING(タスティング)」の上質なレザートート。
ビジネスからカジュアルまで、幅広く使えるのが「タスティング」のレザートートの魅力。上質なレザーを使用しているからこそ、どんなシーンにもフィットしてくれるのだ。「タスティング」が誕生したのは、名だたる革靴メーカーのファクトリーが集まる、英国・ノーザンプトン。柔らかく、品のある佇まいは幅広い年代から支持されている。
英国生まれの老舗タンナー、タスティング社とは?
1870年代、英国の製靴業に多大なる影響を与えたミシンの開発。それまで個人の手によってつくられていた革靴だったが、ノーザンプトンを含む英国各地に新しい靴工場が登場することとなる。そんな中、野心に満ちた若者チャールズ・ペティットがノーザンプトンからさほど離れていないハロルドという村にタンナーを設立。見事工場を成功させるに至る。
彼の娘エリザベスと、その夫ジョン・タスティングの間に産まれたジャックは、10代にしてタンナーの業務に携わり、いつの日か両親とともに働けることを夢見ていた。しかし17歳の時、イギリス陸軍航空隊に選出され、何マイルも離れたメソポタミアに行くことに。
ちょうどその時期に彼の祖父であったチャールズが逝去し、チャールズの二人目の妻はタンナーを売却。ジャックは戦争から帰還して初めて、家族が築き上げたビジネスがなくなったことを知る。しかし彼はタンナーを経営するという夢を果たすために、同じ土地で自らの工場を設立。タスティングという名をつけ、そちらも瞬く間に成果をあげた。
1985年、タスティングは培ってきた靴づくりのノウハウを活かし、得意分野であったカーフを使用した、良質なレザーバッグの生産を始める。それがカバンブランドとしてのはじまりである。現在は5代目社長であるウィリアム・タスティングが、弟アリステアとともに経営を続けている。
ノーザンプトン大学の皮革工学博士号を持つ、ウィリアム・タスティングは、英国においてその名を広く知られ、彼の深い知識によって生み出されるレザー製品は、英国を代表すると言っても過言ではない。
確かなバックボーンに裏付けされた柔らかな雰囲気のトートに注目!
質実剛健なプロダクツが多い英国で、繊細かつ柔らかな雰囲気を持つ「タスティング」のレザー。大人の男にふさわしい2モデルを厳選してご紹介する。
Bythorn MK2 Tote(バイソン MK2 トート)
休日からビジネスまで、シーンを選ばず幅広く使用することができるブランドのベストセラー。底面には、底鋲(支えとなる金属のパーツ)がついており、安心して地面に置けるという気づかいも。色だけでなく、革もシボ入りとプレーンが選べる。4万6200円
New Kimbolton Tote(ニューキンボルトン トート)
ビジネスに適したクラシカルな佇まいのトートバッグ。マチが広くとってあり、見た目によらず容量が大きい。荷物の量によってサイドのベルトで調整することができたり、マグネット開閉式でものの出し入れが楽だったりと、機能的にも優れたモデル。6万3800円
【問い合わせ】
グリニッジ ショールーム☎03-5774-1662
Photo/Katsunori Suzuki, Takahiro Katayama Text/Shuhei Takano 問い合わせ/グリニッジ ショールーム☎03-5774-1662
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