旧きよき時代のアメリカが産んだファブリックを壁紙に。現代に蘇った米国の壁紙ブランド。
ラングラーのヴィンテージコレクターとしても知られる金丸さんは、世界的なメーカーからスポーツの祭典まで、様々な内装を手掛けるスペシャリスト。そのヴィンテージへの深い愛と、内装業で積んだ経験や技術を結集させ、かつて1920〜’50年代にカンザス州で実在した壁紙メーカーであるユナイテッドウォールペーパーの実名復刻を果たした。
日本の壁紙を旧き良き時代のアメリカのアートワークで変える。そんな志を持つ金丸さんの工場へ潜入した。
「アメリカは、自分の人生の核となっているラングラーが産まれた場所でもあり、その生活様式や文化にも様々な影響を受けました。
アメリカの家の壁は、基本的にペンキで塗るのですが、いろいろと掘り下げていくとユナイテッドウォールペーパーという壁紙メーカーが実在したことがわかりました。アメリカでは廃れてしまった壁紙ですが、日本ではなくてはならない存在。そこで日本の重要文化財を保管する際に使われている超高性能なスキャナーを使い、当時の壁紙を復刻させようと思ったんです。
今では周りにいる友人たちが所有している希少なヴィンテージウエアやファブリックもスキャンして、その可能性を広げています。この壁紙は、家のすべてで使う必要はありません。一面だけでも十分に雰囲気を変えることができます。アートをライフスタイルに取り入れるきっかけにしてもらえるのが、本望ですね」
若者を熱狂させたウッドストックの情景が当時のままに蘇る!
ウッドストックの観客を撮影したフォト柄は、1970年代にジャケットやパンツなどで展開されていた。ヴィンテージでも人気の高いフォト柄を、今の技術で完全に蘇らせている。この人気のパターンを壁紙で使おうというアイデアは、ヴィンテージラバーの金丸さんだからこそ。ロックやヴィンテージ好きにはたまらないデザインである。
1969年に開催された伝説のロックフェスティバルであるウッドストックの空気感を写したフォトパターン。褪せた風合いがたまらない。
Robbeのタグの裏には、製品管理を目的としたタグが付いており、よく見るとウッドストックというプリントされているのがおもしろい。
ウッドストック柄を用いたジャケットは、様々なメーカーで作られており、こちらはRobbe製。’70sらしい細身でロングポイント。
金丸さんがこのウッドストックパターンの復刻を記念して、オリジナルのジャケットを制作。一般販売は考えておらず、ユナイテッドウォールペーパーの購入者へのノベルティだ。
壁紙を作るまではかなりのハイテクであるが、壁紙を美しく施工するには、職人のクラフトマンシップが必要不可欠である。金丸さんは、日夜現場に出向き、その手腕を語る。
自社ファクトリーでは、大型の壁紙や看板などにも対応できるようにかなり広いスペースを持っている。熟練した職人たちが揃い、メイドインジャパンにふさわしいクオリティを実現。
スタッフへの制服としても使っているユナイテッドウォールペーパーのアドバタイジングT。ボディにはロサンゼルスアパレルを使っており、もちろんメイドインUSAのコットンボディだ。8800円
こちらもシンプルにユナイテッドウォールペーパーのロゴをプリントしたアドバタイジングアイテム。右のモデルと同じくロサンゼルスアパレルのボディを使っている。8800円
【問い合わせ】
リックプランニング
info@ric-planning.jp
Instagram @_united_wallpaper_
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning2023年8月号 Vol.352」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/S.Tsuji 辻茂樹
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