レッドウィングの定番短靴「オックスフォード」の種類と、洒落者の着こなしを紹介!

ワークブ―ツといえばまず名前の挙がる、アメカジ好きならお馴染みのブランド「レッドウィング」。今も昔も男のためのワークブーツの象徴として君臨し続けている。そんなワークのイメージのあるレッドウィングだが、短靴も人気を集めている。

オックスフォードの名前のついた短靴は3モデルある。ひとつはレッドウィングの定番中の定番101「ポストマン」。ポストマンにはチャッカブーツと短靴があるが、短靴は「ポストマン オックスフォード」と称する。このポストマン オックスフォードの防水ゴアモデルが「ポストマン オックスフォード ゴアテックス」。そして、アメリカの正統派オックスフォードという位置づけである「ミルワン ブルーチャー オックスフォード」がある。

この3つのシューズの違いをまずは説明しつつ、後半ではオックスフォードの業界人の着こなしと経年変化した愛用シューズを紹介する。ぜひ購入すべき1足との出会いの参考にしてもらいたい。

1.Postman Oxford 101(ポストマン オックスフォード)|定番中の定番の一足。

ポストマンシューズとは郵便局員のために作られたもので、USポスタルサービスの認可を受けたモデルのみ名乗ることができる。レッドウィングでは、過去には106、2206、8999など多数指定され、その中でも最も定番とされているのが、1953年に発売された「101」である。ブラック一色の無骨な表情だが、その履き心地はクッション性に富んでおり、歩く郵便局員のために作られたモデルだけある。

  • レザー:ブラック「シャパラル」
  • 製法:オールアラウンド・グッドイヤーウエルト
  • ソール:ブラック・クッションクレープ
  • ラスト:No.210

2.Postman Oxford Gore-Tex 9183(ポストマン オックスフォード ゴアテックス)|防水ゴアモデルは注目の的。

ポストマン オックスフォードのワンピースヴァンプを踏襲した防水ゴアテックスモデル。ライニングにゴアテックスメンブレン、インソールはシンサレートを使用し、インソール表面にはポロンを採用しフィッティングとクッション性を高めた。レザーは上質な牛革ブラック・ユーコンを使用している。

  • レザー:ブラック「ユーコン」
  • 製法:オールアラウンド・グッドイヤーウエルト
  • ソール:ブラック・クッションクレープ
  • ラスト:No.210

3.Mil-1 Blucher Oxford 9087(ミルワン ブルーチャー オックスフォード)|これぞアメリカの正統派オックスフォード。

1930年代から徐々にアメリカの日常に浸透したオックスフォードをベースに、米軍のオフィサーシューズ用に開発された木型「Mil-1ラスト」を合わせた正統的オックスフォード。足指あたりの幅をとり、爪先を伸ばすことでスマートシェイプに仕上げた米軍規格らしい実用的な1足。

  • レザー:ブラック「エスカイヤ」
  • 製法:グッドイヤーウエルト
  • ソール:グロコード・メダリオン
  • ラスト:ミルワン

スエード仕様のオックスフォード9112、今でも手に入る? デニムには黒のスエードが似合うのだ。

Postman Oxford 9112(ポストマン オックスフォード)

なかなか無骨な表情の「ポストマン」のアッパーをブラックのラフアウトレザーでアレンジしたのがこの「Postman Oxford 9112(ポストマン オックスフォード)」。素材が違うだけで、よりスタイリッシュに、それでいて履き心地はポストマンシューズという一足。

現在、このブラックのクッションクレープソールの9112は残念ながら手に入らないが、ホワイト・クッションクレープとコーヒー・クッションクレープに変更したコラボアイテム、「ANI POSTMAN / MILK(アニポストマン/ミルク)」が同じ品番9112でラインナップしている。

また、ビームスの別注でこの写真と同じ仕様(ソールもブラック)で、ゴアテックスモデルの「POSTMAN OXFORD / GORE-TEX 9193(ポストマン オックスフォード / ゴアテックス)」もあるので、気になる人は公式サイトを急いでチェックしてみてほしい。

  • レザー:ブラック「アビレーン」ラフアウト
  • 製法:オールアラウンド・グッドイヤーウエルト
  • ソール:ブラック・クッションクレープ
  • ラスト:No.210

Lightning編集部がお届けするヘリテージアメリカンやアメリカンカジュアルの世界では、インディゴデニムが欠かせない。そのため、全身ブラックの着こなしは無縁だが、どこかにブラックを挿して、ちょっとトレンド感のあるコーデをしたい気分なのは確かである。

スエードのポストマン オックスフォードなら、淡い色落ちデニムをくるぶし丈で合わせれば、都会的な印象にしてくれる。スニーカーのような感覚で履けるのも◎。カジュアルなスタイルを少し上品な印象に格上げしてくれるのも魅力的なポイントだ。ラフアウトレザーは、履きこむことでさらに起毛し表情が変化していくので、防水スプレーをかけて雨の日もガンガン履きたい。

近年、残念ながら生産終了(廃番)になったオックスフォードを紹介。

1.Classic Oxford 8103 / 8106(クラシックオックスフォード)| モックトゥのワーク顔。

8103

1950年代以降アメリカのモータリゼーションの発達と供にシューズのニーズも変化していく。そんな中でレッドウィングのトラクショントレッド・ソールを履いたオックスフォードが人気に。2010年のウエルト変更によってレッドウィングらしさがより感じられる一足に。

8106
  • レザー:オロラセット「ポーテージ」/  ブラック「クローム」
  • 製法:オールアラウンド・グッドイヤーウエルト
  • ソール:トラクショントレッド
  • ラスト:No.23

2.Foreman Oxford 8049 / 8054(フォアマン オックスフォード)|正統的な外羽のオックスフォード。

8049

正統的な外羽のオックスフォードながらレッドウィングならではのワークテイストを加味した逸品は、工場や現場で働くフォアマン(集団を管理統率する人)に向けて作られた1940年代の533を再現。ゆったりしたラストと耐性の高いアッパー、頑丈なコルクソールを搭載。

8054
  • レザー:チョコレート「クローム」/ ブラック「クローム」
  • 製法:グッドイヤーウエルト
  • ソール:ブラウン・ニトリルコルク
  • ラスト:No.8

洒落者たちのレッドウィング「オックスフォード」の着こなしをチェック! 経年変化も気になるところ。

カジュアルに履きたくなるレッドウィングの「オックスフォード」。洒落者たちのコーデと合わせて、経年変化もチェックしよう。

1.「417 エディフィス」バイヤー・関根渉さん

滑らかで上品な光沢が特徴的なコレクテッドグレインレザーをアッパーに使用したレッドウィングが誇る伝統のモデル、ポストマン。オックスフォードプレーントゥはシンプルなデザインゆえ、スタイル問わずコーディネイトできることから、シリーズの中でも人気モデル。

「ワークシューズでありながらドレスシューズ寄りな見た目から、どんなコーディネイトでも合わせやすいのが気に入っています」

愛用シューズ「Postman Oxford 101」

2.「ビームス」プレス・百々南さん

ビームスのPRとして活躍する百々さんが選んだのは、定番のポストマンオックスフォード。ただこれはゴアテックスを搭載した防水モデル。別注したシュガーケーン×ビームスのネルシャツとビームス プラスのデニムパンツとうまくダークトーンにまとめているのもポイント。

愛用シューズ「Postman Oxford Gore-Tex 9183」

3.「JOB314」スタッフ・佐藤睦樹さん

Double RLのオーバーオールを中心に組み立てたコーディネイト。ここでワークブーツを合わせてしまうと一気に土臭い雰囲気になってしまうので、あえてゴアテックスを搭載したポストマンシューズでバランスを取った。トップスはゴールドのCPOジャケットでミリタリーテイストをプラス。「タフで防水性にも優れているので、万能ですよ」

愛用シューズ「Postman Oxford Gore-Tex 9183」

4.「レッドウィング仙台店」スタッフ・藤井秀樹さん

アースカラーを基調にしたシンプルなコーディネイトにレッドウィングのシューズでしっかりと全体を引き締めている印象。ほどよく履き込まれ、手入れの行き届いたシューズをチョイスするだけで装いは格段に向上。

「戦前のオックスフォードシューズをベースにした短靴は、シンプルなデザインとシャープなフォルムが気に入ってます」

愛用シューズ「Mil-1 Blucher Oxford 9087」

オックスフォード以外の、レッドウィングの短靴が気になる!

モータリゼーションが発達する以前の旧きよきアメリカ。道は基本的に未舗装であり、そこを歩くためにはタフで履きやすいブーツが必須だった。そのためフォーマルに履くブーツにも頑強さや機能性が求められていた。レッドウィングではそんな創業初期にあったモデルを精力的に再現し、「ドレスブーツ」のカテゴリーとして展開する。短靴のラインナップがそろうカテゴリーでもある。

ドレスブーツのカテゴリーにラインナップする、ここまで紹介してきたオックスフォード以外の短靴を2足紹介しよう。

1.Romeo(ロメオ)9198|アメリカで生まれたサイドゴア「ロメオ」という名の逸材。

両サイドにエラスティックを設けたサイドゴアタイプ。着脱を容易にするヒールトップのハンドルや、他ではなかなか見かけないくるぶし丈のサイズ感

サイドゴアという言葉から、イギリス生まれのブーツのイメージが強いかもしれないが、1920年ごろのアメリカでは、紐を使わずに足にフィットさせるスリップオンタイプのオックスフォード(短靴)が「ロメオ」という名称で使われていた実績がある。

レッドウィングでは1934年にキップレザーを使い、ステッチダウン製法で作られたモデルがカタログに掲載されているが、レザーソールにラバーのヒールを備えたものだった。1950年代の中頃に、クッションクレープソール(現在のトラクショントレッド・ソール)を採用したモデルが登場し、一旦姿を消すが、1980年に再登場した。

  • レザー:ブラック「シャパラル」
  • 製法:オールアラウンド・グッドイヤーウエルト
  • ソール:ブラック・クッションクレープ
  • ラスト:No.210

2.Postman Chukka(ポストマン チャッカ) 9196

定番のポストマンシューズ 101と共にUSPS(米国の郵便局)の指定シューズとして局員たちに履かれていたものにチャッカ丈の9196がある。原型は1958年に登場し、マイナーチェンジを繰り返しながらも基本設計は変わらずに今に至るロングセラー。フォーマルなデザインで光沢ある雨に強いレザーも特徴的だ。

  • レザー:ブラック「シャパラル」
  • 製法:オールアラウンド・グッドイヤーウエルト
  • ソール:ブラック・クッションクレープ
  • ラスト:No.210

▼ポストマンシューズについてはこちらの記事で紹介しています。

レッドウィング(RED WING)の定番「ポストマン」ってどんなシューズ?

2022年12月07日

3.Caverly Chukka(キャバリーチャッカ)9096

約1年履きこんだことで生まれた甲のシワ。 着用者の足の形がくっきりと表れ、深みのある革の経年も伺える。 キャバリーチャッカの経年の真骨頂だ

1900年代初めに実際にあった6インチ丈のブーツに着想を得て、ポストマンシューズに使われる210番ラストを使い、独特の光沢をもつエスカイヤレザーをまとって2015年に発売されたモデル。

エスカイヤレザーを使用し、ヘファーハイド(若い未経産の牝牛の革)の銀面(革の表面)をレジンで固めたことで豊かな光沢と深みのある色合いが特徴。1920年代にレッドウィングのために開発したラバーソール、グロコードソールを底面に採用している。※生産終了、市場在庫のみ

  • レザー:ブラック「エスカイヤ」
  • 製法:オールアラウンド・グッドイヤーウエルト
  • ソール:グロコード・メダリオン
  • ラスト:No.210

ワークブ―ツのイメージが強いレッドウィング。だがしかし、オックスフォードにはそのワークブ―ツの持つ雰囲気と、オックスフォードの上品さが備わっており、オンオフにと使い勝手がいいのだ。ぜひ1足手に入れて育ててみてほしい。

▼レッドウィングのすべてがわかるこちらの記事も合わせて読みたい。

どんな種類が人気? レッドウィング(RED WING)の定番モデル5選と洒落者たちのコーデを拝見!【2023年最新版】

2023年01月23日

情報は雑誌掲載時のものとなり、現在品番変更、後継モデル、終売の場合があります。

(出典/「別冊Lightning Vol.235 ALL ABOUT RED WING