スウェーデンの夏は短いからこそ、別荘へGO!
わたしはスウェーデンへ帰っただけでかなり癒されます。気温も湿度も私好み! 夏でも25〜28℃で過ごしやすく、湿度は30〜40%とカラッとしています。日本の気温の感じ方とはだいぶ違いますね。夏に行くならきっと太陽の強さを肌で感じとれます。かなり日焼けします!
里帰りをすればだいたいまず実家に行きますが、夏の間は特別、別荘で暮らしています。お金持ちでなくても別荘やヨットを持ってる人は多い。なぜなら、相続で手にいれることも多いので、別荘を持っていることは驚くほどでもないんです。
スウェーデン人の多くは自分の別荘を持っています。たとえ持っていなくても、友だちの別荘を借りて過ごすことも珍しくないんです。何百年も前からスウェーデン人は自然の中で暮らす願望を持ってます。また、多くの人々が首都のストックホルムに移り住んだことで建物だけが残され、1930年代からそれらを別荘に改装した経緯もあります。やはり緑の中、赤と白の可愛い木造で過ごしたい気持ちが強い。わたしがスウェーデンに住んでいた頃は、祖父・祖母の別荘に行っていました。今所有している別荘は12年ほど前に家族で購入したもの。いまは主に、父とパートナーのブリットが暮らしています
この別荘地はストックホルム市内から車で約40分のところにあります。70の小さな家があって、庭も付いてます。歩いて3分ほどのところに小さなビーチがあり、桟橋も付いて、湖畔で自由に過ごすことができます。
薪で焚くサウナもあり、サウナに入った後、10歩で湖に入れます。
イカダまで泳いでそこで日向ぼっこするのも最高の夏の過ごし方。 主屋の庭には小さなゲストハウス、野菜やジャガイモのなる畑があって、温室でキュウリやピーマンも大きく育ちます。畑から野菜を採って、バーベキューで楽しむのが日常です。地球上で最高の場所だ! と知り合いが言ってくれます。
自然と上手に付き合ってスローライフを楽しむのが北欧流
第1回目でもお話しましたが、北欧の夏はとても短い。だからこそ思う存分、夏の間に太陽を浴びたい。朝の気持ちいい太陽の光を浴びるため、朝ごはんのテーブルは、遮るものがない庭の真ん中で。ランチはテラス、そしてだんだん暗くなって、一気に気温が下がる白夜のディナーは奥まったテラスで楽しむ。白夜は北欧の人々にとっては当たり前のことなので、わざわざ空が見えるところには座りません。
ご飯のときはみんなで準備をします。料理担当をひとりにすることはない。もちろん別荘ではのんびりするだけではなく、ひとつの別荘地でみんなが共有スペースの芝生を順番に刈り、それぞれの当番はしっかりと回って来ます。
また、別荘では”夏水”と言って、近くの町から水道を地下20cmくらいの深さで敷き、村まで持って来るため、冬は凍ります。ですので、ここで暮らすのは夏だけ。ちなみに、冬の間に水道管の中で残った水が凍ってしまうと大変なので、秋には空気を送り込んで水道管全てを空っぽにします。
夏至祭のときはみんなで集まれる広場があったり、近くにトランポリン、卓球台と、子どもたちが遊べる滑り台などもあります。庭にはサンチェアを出して、太陽を浴びながらたわいもない会話をして、秋からクリスマスにかけての慌ただしい時期のためにパワーを溜める。こういった夏のひとときは、スウェーデン人にとって、クリスマスと同じくらい大切な行事です。日本人からしてみたら羨ましいライフスタイルかな?
心の余裕が生み出すスウェーデン人のクリエイティビティ
1週間で40時間勤務、働くのは年間250日……だけ。それでもスウェーデン人は忙しいと言う……。364日、17時間働いてるわたしは一体なんなんだ、とね(笑)。
だからたしかに、スウェーデンの人たちと話をしていると、心の余裕は感じます。でも、一緒に働くと……突然連絡が途切れます(笑)。
夏のお花と綺麗な空を楽しんだり、ただ息をするだけ。そんな暮らし方をしているからこそ、スウェーデン人はたくさんのクリエイティブなものを生み出してるのかもね。
撮影:黒澤義教
関連する記事
-
- 2024.11.21
この冬の相棒必至の革ジャン6選! スポーツジャケット編